宮部宗治

宮部宗治（みやべ むねはる）

概要

宮部宗治は、安土桃山時代に活躍した武将、そして大名です。通称は肥前守と称しました。その生涯は、戦国時代の終焉から天下統一へと向かう激動の時代と重なり、豊臣秀吉の家臣として各地を転戦、その勢力拡大に貢献しました。また、秀吉の甥である羽柴秀次にも一時的に仕え、重臣として活躍した記録も残っています。出自については、複数の説が存在し、確かなことはわかっていません。

生涯

出自

宮部宗治の出自については、『戦国人名事典』と『戦国人名辞典』で異なる見解が示されています。

『戦国人名事典』：土肥刑部少輔の次男であり、宮部藤左衛門（刑部少輔）は兄、母は宮部継潤の妹で、継潤の甥であると記述。
『戦国人名辞典』等：宮部藤左衛門（土肥刑部少輔）の次男であり、宮部継潤の義弟であると記述。

このように、宗治の出自ははっきりとしていません。

羽柴秀吉への仕官

天正元年（1573年）には、宮部継潤が朝倉家臣・三段崎勘右衛門の首実検に宗治を同道させており、この頃から武将としての活動が見られます。その後、天正年間には羽柴秀吉に仕え、その家臣となりました。秀吉の家臣としては、各地の戦に参加し、その勢力拡大に貢献しました。

山城淀城の改修と聚楽第行幸

天正16年（1588年）には、山城淀城の改修普請のため、人夫の徴用を命じられ、近江領地から人夫を動員しました。同年4月には、聚楽第行幸の際に、関白秀吉の行列の中に宮部肥前守宗治の名前が見られます。これらの記録から、宗治が秀吉の側近として活躍していたことがわかります。

羽柴秀次への仕官

天正17年（1589年）には、羽柴秀次が近江八幡山城城主の頃、附家老（年寄衆）の中に宗治の名前が見られます。これは、宗治が一時的に秀次に付けられたことを示しています。8月7日付の文書には、年寄衆として、田中吉政、渡瀬繁詮、宮部宗治、山内一豊、堀尾吉晴の順番で署名しており、秀次付きの年寄衆は全て1万石以上の大名であったことがわかります。このことから、宗治も1万石程度の知行高があったと推測されます。当時、秀次には「宿老共当知行弐拾三万石」が宛てられていたことから、宗治もその一翼を担っていたと考えられます。

奥州仕置

天正19年11月には、奥州仕置において東北に出張し、伊達政宗から苅田郡を接収して、新領主である蒲生氏郷に交付しました。これにより、宗治は奥州仕置にも深く関与したことがわかります。

死没

時期は不明ですが、若くして大坂で亡くなったとされています。その短い生涯の中で、豊臣政権を支える重要な武将として活躍しました。

まとめ

宮部宗治は、出自には不明な点があるものの、豊臣秀吉の家臣として、そして羽柴秀次の重臣として、安土桃山時代の激動期に重要な役割を果たした武将でした。特に、奥州仕置にも関与したことが知られています。若くして亡くなったものの、その活躍は歴史に名を残しています。

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