家具の大正堂

株式会社家具の大正堂

株式会社家具の大正堂（かぐのたいしょうどう）は、神奈川県相模原市南区に本店および本社を置く、日本の家具・インテリア販売会社です。現在は「ルームズ大正堂（Room's TAISHODO）」という店舗名称で営業しており、神奈川県を中心とした首都圏エリアに店舗を展開しています。

会社の歩み

その歴史は古く、大正元年（1912年）に町田市で文具・雑貨商として創業しました。戦後の復興期を経て事業を拡大し、1954年には洋品部を独立させ有限会社大正堂専門店を設立、鞄や傘などを扱い始めます。翌年には寝具専門店も開設するなど、取り扱い品目を広げました。

家具販売事業に本格的に参入したのは、1964年に大正堂家具センター町田店を開設したことがきっかけです。これを機に家具を事業の柱と位置づけ、組織体制を強化するため1967年には株式会社タイショーを設立。そして1970年1月22日、家具販売専業会社として現在の法人格である株式会社家具の大正堂が正式に設立されました。

事業の拡大に伴い、物流体制の整備に力を入れ、1974年に物流センター、1980年には大型配送センターを竣工。1978年には配送専門の大正堂運輸株式会社も設立し、効率的な配送ネットワークを構築しました。また、1977年には販売管理オンラインシステムを導入するなど、経営の近代化も進めました。

1980年代以降は、システムキッチン部門の展開など、インテリア関連分野への多角化も推進。1990年代後半からは店舗の業態転換に着手し、1998年の玉川店を皮切りに、家具に加えてホームファッションを取り入れた「ルームズ大正堂」として店舗を刷新していきました。これは現在の主要ブランドとなっています。

かつては、TBS系列の「そこが知りたい」などでテレビコマーシャルを放送し、その知名度を高めていました。

店舗ネットワーク

現在の「ルームズ大正堂」店舗は以下の通りです。

さがみはら本店（神奈川県相模原市南区）
八王子店（東京都八王子市）
玉川店（神奈川県川崎市高津区）
あざみ野店（神奈川県横浜市青葉区）
新横浜店（神奈川県横浜市港北区）
戸塚店（神奈川県横浜市泉区）
* つじどう店（神奈川県藤沢市）- 旧「辻堂店」

長年にわたり、多くの店舗が首都圏各地で運営されてきました。かつて存在した主な店舗は、群馬県（ZUTTO MOTTO前橋店）、埼玉県（大宮宮原店、狭山店）、東京都（旧八王子店、町田店、多摩店、高井戸東店）、神奈川県内（清新店、登戸店、大和店、川崎店、綱島店、横浜店（出店中止）、三ツ境店、井土ヶ谷店、金沢文庫店、横須賀店、藤沢店、厚木店、平塚店、小田原店）など多岐にわたります。これらの店舗の開設・閉鎖は、時代の変化や地域環境に応じて行われました。

競争環境

家具・インテリア販売市場における大正堂は、神奈川県を中心とした地域において、村内ファニチャーアクセスと並ぶ国道16号線沿線の大型家具店として知られています。しかし、近年はイケア、大塚家具、ニトリをはじめとする国内外の大型専門店の他、多様な業態やオンラインストアとの競争が激化しています。こうした市場環境の中で、同社は「ルームズ大正堂」ブランドの下、独自の品揃えやサービスを提供することで事業を継続しています。

かつての関連事業

過去には、家具販売事業を核としながらも、周辺分野や関連事業を展開する複数の関連会社を有していました。これらには、物流を担う大正堂運輸、不動産関連の大正堂興産や大正堂開発、広告代理業の大正堂エージェンシー、ブライダル関連、収納システム、外構工事といった専門事業会社が含まれます。また、家具店と並行してホームセンター事業（さがみはら本店、多摩店、狭山店など）も手掛けていた時期があります。これらの関連事業や会社は、その後の経営戦略の見直しなどにより、多くが整理・再編されました。

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