家島町

兵庫県家島町：瀬戸内海の島々の記憶

家島町は、かつて兵庫県飾磨郡に属し、瀬戸内海に浮かぶ家島諸島に位置していました。2006年に姫路市に編入合併され自治体としては姿を消しましたが、現在も姫路市家島町としてその名を残しています。本稿では、家島町の地理、歴史、産業、教育、交通、観光スポットなどについて詳しく解説します。

地理

家島町は、姫路市と赤穂市の沖合約15〜18kmに位置し、大小40以上の島々から構成されています。住民が居住しているのは、家島、坊勢島、男鹿島、西島の4つの島です。特に家島には人口の約6割が集中し、町の中心としての役割を果たしていました。

歴史

家島町の歴史は古く、明治時代の町村制施行に遡ります。

1879年（明治12年）：家島諸島が揖東郡から飾東郡に編入。
1889年（明治22年）：飾東郡真浦・坊勢浦・宮浦の区域をもって家島村が発足。
1896年（明治29年）：家島村が飾磨郡に所属変更。
1928年（昭和3年）：町制施行により家島町が誕生。

その後、昭和初期には室戸台風による被害や、第二次世界大戦の影響を受けました。戦後復興を経て、1950年には家島群島が瀬戸内海国立公園に編入され、自然保護の重要性が認識されました。1970年代には、男鹿島での大火災や播磨灘での赤潮被害が発生するなど、自然災害にも見舞われました。しかし、海水淡水化施設の建設など、生活基盤の整備も進められました。

平成時代に入ると、阪神・淡路大震災や客船の引退といった出来事がありましたが、2006年に姫路市へ編入合併し、新たなスタートを切りました。

行政

家島町は、合併までの間、多くの町長によって運営されてきました。琴塚菊松氏を初代町長として、芝原英三氏まで18名の町長が家島町の発展に尽力しました。

経済と産業

昭和30〜40年代には、海運、砕石、漁業が盛んで、離島としては珍しく人口を維持していました。しかし、少子高齢化や不況の影響により、各産業の近代化が求められています。現在では、海運業、砕石業、水産業、観光業などが主な産業となっています。

教育

家島町には、兵庫県立家島高等学校をはじめ、中学校、小学校、幼稚園がありました。これらの教育機関は、現在では姫路市立となっています。特に家島町立家島中学校の校章は、自主・協力・合理の校訓を象徴する三枚羽根のスクリューをモチーフにしており、地域住民に親しまれていました。

交通

家島町へのアクセスは、主に海上交通が利用されています。姫路港からの高速船やフェリーが運航されており、家島、坊勢島、男鹿島などの島々を結んでいます。また、海上タクシーも利用可能です。

観光

家島町には、家島十景をはじめとする多くの観光スポットがあります。兵庫県立いえしま自然体験センターやB&G家島海洋センターでは、自然を満喫できるアクティビティが楽しめます。また、青井の浜海水浴場は、夏には多くの海水浴客で賑わいます。

出身者

家島町出身の著名人としては、漫才師のパンチけいすけ氏、プロゴルファーの安井純子氏、女子プロレスラーのマミ熊野氏、山崎五紀氏などがいます。

まとめ

家島町は、姫路市に合併された後も、その美しい自然と豊かな歴史を今に伝える地域です。瀬戸内海の島々を巡り、家島町の魅力を体験してみてはいかがでしょうか。

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