宿曜占星術

宿曜占星術

宿曜占星術（すくようせんせいじゅつ、しゅくようせんせいじゅつ）は、インド占星術をベースに発展した日本の占星術です。月の運行に着目し、人々の運勢や日の吉凶を占うために用いられてきました。

占星術の基本

宿曜占星術では、月の周期（白道）を27の宿（カテゴリー）と宿曜十二宮（黄道十二宮に近似）に分割します。月の状態を基に、人の性質、吉凶、特定の日の運勢を判断します。暦は主に旧暦を使用します。この占星術の起源には、文殊菩薩が28の宿を作成し、暦を完成させたという伝説があります。通常は二十八宿ではなく、牛宿を除いた二十七宿を用いて占います。

西洋占星術が太陽の運行を中心とするのに対し、宿曜占星術は月の運行を中心とする点が大きく異なります。また、一週間の曜日の語源にも影響を与えているとされています。

起源と歴史

宿曜占星術は、弘法大師空海が翻訳し日本にもたらしたとされる宿曜経（「文殊師利菩薩及諸仙所説吉凶時日善悪宿曜経」）を基に、密教徒などが研究を重ねて発展しました。道教の概念も取り入れられており、宿曜経自体は唐で完成したと考えられています。宿曜占星術を専門とする人々は宿曜師と呼ばれ、宿曜道は陰陽道と並ぶ勢力を持つ時代もありました。織田信長が戦に利用した、徳川幕府が禁じた、または活用したなど、宿曜道は歴史上の人物や出来事との関わりも伝えられています。

宿曜道の神々と関連要素

宿曜占星術には、以下のような神々や要素が関連しています。

宿曜の本尊: 文殊菩薩
星: 北斗七星、破軍星、武曲星、廉貞星、文曲星、禄存星、巨門星、貪狼星
九曜: 月曜星、火曜星、水曜星、木曜星、金曜星、土曜星、日曜星、計都星（ケートゥ）、羅睺星（ラーフ）
十二宮: 女宮、獅子宮、蟹宮、秤宮、夫妻宮、蝎宮、牛宮、弓宮、白羊宮、摩宮、瓶宮、魚宮
二十八宿: 昴宿、畢宿、觜宿、参宿、井宿、鬼宿、柳宿、星宿、張宿、翼宿、軫宿、角宿、亢宿、氐宿、房宿、心宿、尾宿、箕宿、斗宿、牛宿、女宿、虚宿、危宿、室宿、壁宿、奎宿、婁宿、胃宿

細川九曜紋

細川氏は、九曜をモチーフにした家紋を用いていました。

参考文献

岡崎儀八郎『宿曜二十八宿秘密奥儀伝』（慧文社、2008年、ISBN 9784863300132）

外部リンク

* 宿曜占星術「空海が広めた人の統計学」

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