宿院頓宮

宿院頓宮について

宿院頓宮（しゅくいんとんぐう）は、大阪府堺市堺区に位置する神社であり、住吉大社の御旅所として長い歴史を持っています。この神社は古くから地域の人々に親しまれ、多くの祭りや行事が行われてきました。

由緒

宿院頓宮の起源は不明ですが、住吉大社の御旅所として設置されたのは古代のこととされています。「宿院」という名は住吉の「宿居」から派生したと考えられています。毎年夏の大祓日に住吉大社から神輿が迎えられ、境内の西側にある飯匙堀では「荒和大祓神事」が執り行われてきました。この伝統は今も続いており、明治時代以降には大鳥大社からの神輿の渡御も行われるようになりました。堺を象徴する摂津国と和泉国の一宮としても位置付けられ、特別な神社となっています。

現在では、7月31日に大鳥大社から、8月1日に住吉大社からそれぞれ神輿が渡御される、賑やかな行事が行われています。

また、境内には波除住吉神社と大鳥井瀬神社の2社が大正期に遷座され、かつては2社殿が並んでいたものの、堺大空襲を経て現在は一社殿に合祀されています。

祭神

宿院頓宮の祭神には、住吉大神（底筒男命、中筒男命、表筒男命、息長足姫命）と大鳥井瀬大神（弟橘媛命）が祀られています。これらの神々は地域の人々に深く信仰されており、神社の重要な存在となっています。

歴史

宿院頓宮の歴史は長く、特に703年頃には住吉大社の御旅所となっていたことが知られています。706年には大鳥井瀬神社が創建され、その後まもなくして波除住吉神社も創建されました。

1860年には、波除住吉神社が旧堺港小波止へと遷座されましたが、その後も神社の歴史は続き、1875年には大鳥大社の御旅所としての役割が加わりました。1911年頃から1912年にかけて、波除住吉神社と大鳥井瀬神社は宿院頓宮に遷座され、その後1945年の堺大空襲で社殿は焼失しますが、1949年に再建されました。再建に使用された木材は廣田神社から譲られたものです。

近年では交通の便も良く、阪堺電気軌道の宿院停留場が近くにあり、多くの参拝者が訪れます。

祭事

宿院頓宮では、様々な祭りや行事が行われます。特に重要なものに、1月1日の歳旦祭、4月上旬の桜祭り、7月31日の大鳥大社渡御祭、8月1日の住吉大社渡御祭・荒和大祓神事、そして12月31日の除夜祭があります。これらの祭りは地域の文化と伝統を彩る重要なイベントとして、参加者に愛されています。

境内の特徴

宿院頓宮の境内には本殿や拝殿がある他、飯匙堀があります。この堀は海幸山幸の神話に登場し、特別な存在とされています。また、兜神社旧蹟碑も境内に存在し、周囲の公園や像と共に地域の歴史を物語っています。2016年には飯匙堀の改修も行われ、より多くの人々に利用されるようになりました。

宿院頓宮は、歴史や文化が深く根付いた場所であり、参拝者にとって多くの魅力を持つ神社となっています。

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