密厳寺 (三好市)

密厳寺（みつごんじ）のご紹介

密厳寺は、徳島県三好市池田町西山に静かに佇む真言宗御室派の寺院で、不動霊場としても有名です。山号は宝光山で、本尊は聖観世音菩薩です。さらに、この寺院は四国三十六不動霊場の5番札所でもあり、また阿波西国三十三観音霊場の22番札所、さらには四国阿波八供養菩薩霊場においては「金剛燈菩薩」として知られています。

歴史

密厳寺の歴史は、816年（弘仁7年）にまで遡ります。この年、弘法大師空海が一夜のうちにこの寺を建立したと伝えられています。初めての寄進は、大西城主である大西覚養が行い、その際に寄贈された大般若経が現在も残されて重要視されています。

しかし、寺院は波乱の歴史の中で数度の災難に見舞われました。特に戦国時代においては、長宗我部元親の兵火によって重要な建物である本堂や方丈宝物殿が焼失してしまいますが、権大僧都の真海上人の働きによって再建されました。その後、1807年（文化4年）には再度、自坊での失火により焼けてしまうも、悉浄上人による再興がなされ、現在の姿を保っています。

境内の魅力

密厳寺の境内には、訪れる者を迎える数々の魅力が詰まっています。まず目を引くのが、山門をくぐった先にある本堂です。本堂の本尊となる聖観音菩薩は、多くの信仰を集めています。また、脇仏の不動明王は大師が手がけたとされる珍しい作品です。

境内には八角不動堂もあり、こちらは四国最大級の不動明王の立像が祀られています。この像は樹齢400年以上のケヤキを用いて作られ、迫力があります。さらに、周囲の壁面には数多くの奉納された不動明王像が並んでおり、その光景は圧巻です。

また、境内には鐘楼も設置されていて、静寂な時を過ごすのにふさわしい場所です。春にはジュツュの桜が美しく咲き誇り、花びらが落ちることなく長く楽しめるという特性があります。この桜は、まるで神聖な力を持っているかのようです。

さらに、天馬が降り立ったという伝説に基づく蹄の跡もあり、訪れる者々に興味深い印象を与えています。境内には阿波池田ユースホステルが併設されているため、宿泊を希望する方にも便利です。

アクセスと駐車場

密厳寺へのアクセスは、JR土讃線の「阿波池田駅」から車で約20分の距離に位置しており、交通も便利です。さらに、境内には無料の駐車場が完備されているため、ドライブでの訪問も気軽に行えます。

札所情報

密厳寺は、四国三十六不動霊場の5番札所として位置付けられています。前後の札所としては、4番の箸蔵寺と6番の不動院があり、巡礼するタームにおいても最適な場所です。

このように、密厳寺は歴史的な価値や美しい自然に囲まれた、心が落ち着く場所となっています。訪れることで、精神を整え、日々の喧騒から離れた静けさを体感できることでしょう。

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