富士ロングディスタンスシリーズ

富士ロングディスタンスシリーズ（富士LD）の歴史

富士ロングディスタンスシリーズ、通称富士LDは、1977年より1992年までの間、主に富士スピードウェイで行われた耐久レースのシリーズ戦です。このシリーズは、当初は富士500km、500マイル、1000kmの3つのレースから構成されており、長年にわたり多くのモータースポーツファンに愛されました。

初期の開催と参加車両

シリーズは、全てのレースがエントラントにタイトルが付与される形式で、プロトタイプレーシングカーだけでなく、市販車を改造したツーリングカーなど、さまざまな車両が参加していました。当初の主催者はFISCOクラブ（現在の富士モータースポーツクラブ）であり、レースのグリッドは予選を行わず、エントリー順に決定されていました。このユニークな形式が、多様な参加者を引き込む一因となっていました。

グループC時代の到来

1983年にはグループC時代が始まり、JAFは全日本耐久選手権を立ち上げましたが、富士LDはシリーズには含まれませんでした。しかし1985年からは全日本耐久選手権の一部として組み込まれ、国際格式のレースとなりました。この年からは予選も実施されるようになり、レースの運営形態が大きく変わりました。主催者はビクトリーサークルクラブ（VICIC）やトヨタモータースポーツクラブ（TMSC）、ニッサンスポーツカークラブ（SCCN）、マツダスポーツカークラブ（MSCC）と協力し、より多様な大会運営が行われました。

日本ロングディスタンスシリーズの展開

1991年からは日本ロングディスタンスシリーズと呼ばれ、全戦がJSPCの対象となりました。この年には鈴鹿と菅生の2戦が追加され、全7戦が開催されました。しかし、1992年には富士でのレースが3戦に減少し、鈴鹿、菅生、美祢を含む全6戦となりました。

終焉とその後

残念ながら1993年には、経済の低迷とグループCの衰退により耐久シリーズは開催されなくなり、富士LDシリーズは幕を閉じることとなりました。しかし、その後も富士スピードウェイでは、1999年と2007年に限り富士1000kmが復活し、富士500kmは2001年から、富士500マイルは2018年からスーパーGTとして新たに開催されています。

歴代タイトルの一覧

このシリーズの歴史には、様々な名ドライバーやチームが名を刻んでおり、タイトルの変遷や凄まじいレースが展開されていました。1979年や1980年にはプロトタイプクラスが章典外となったこともあり、特殊な年も存在しました。1992年には、LD1クラスとLD2クラスで別々にポイントが与えられ、さらなる競技の多様性が見られました。

富士ロングディスタンスシリーズは、モータースポーツにおける重要なイベントであり、今なお多くのファンにその記憶が鮮明に残っています。

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