富士見町原之郷

富士見町原之郷（ふじみまちはらのごう）は、群馬県前橋市北部に位置する地域名です。かつて勢多郡富士見村に属していた際は大字原之郷と呼ばれていましたが、2009年5月5日の前橋市への編入合併に伴い、地名の前に旧村名に由来する「富士見町」が冠され、前橋市富士見町原之郷となりました。地域の面積は2013年時点で2.65平方キロメートルを測り、郵便番号は371-0116です。

地理

この地域は、雄大な赤城山の南西に広がる裾野部に位置しています。その東西は、それぞれ異なる河川によって境されています。東端には赤城白川が北から南へと流れ、西端には細ヶ沢川が北から南西方向へと流れています。これらの河川に挟まれた比較的平坦な地域が原之郷を形成しています。地域内には九十九山と呼ばれる山があります。

歴史

原之郷という地名は江戸時代には既に存在していたとされ、その歴史は古くから地域の営みとともに刻まれてきました。江戸時代の寛永12年（1635年）以降は、前橋藩の領地として管理されていました。

近代に入り、1889年の市町村制施行に伴い、原之郷村は近隣の13村と合併し、新たに南勢多郡富士見村が誕生しました。これにより、地名は群馬県南勢多郡富士見村大字原之郷と改められました。村制施行初期の1889年6月には、富士見村の役場仮事務所がこの地域に置かれていましたが、同年8月には田島へと移転しました。

1896年には郡の統合が行われ、東群馬郡と南勢多郡が統合されたことにより勢多郡が発足しました。これに伴い、所属郡が勢多郡へと変更され、勢多郡富士見村大字原之郷となりました。長らくこの名称が続きましたが、平成の大合併の流れの中で、2009年5月5日に富士見村は前橋市に編入合併されました。これにより、地名は前橋市富士見町原之郷となり、現在に至っています。

近年では、2017年5月12日に、この地域を含む前橋・赤城地域が「ゆっくりとした生活」を提唱する国際的な都市運動であるチッタスローに加盟したことでも注目されています。

人口

2017年（平成29年）8月31日現在の調査によると、この地域の世帯数と人口に関する統計情報がまとめられています。

学区

前橋市立の小・中学校に通学する場合、この地域には定められた学区が設定されています。

交通

地域内に鉄道駅は存在しませんが、路線バスが運行されており、公共交通機関として利用されています。日本中央バスが運行する前橋駅、中央前橋駅を経由し田島十字路から富士見温泉に至るバス路線が地域の主要な交通網の一つとなっており、地域内を通る群馬県道151号津久田停車場前橋線沿いにバス停留所が設置されています。また、地域住民の利便性を高めるため、関越交通が運行するデマンドバス方式の「るんるんバス」も利用可能です。

道路網については、地域の中央部を南北に貫く群馬県道151号津久田停車場前橋線と、地域の中央部を東西に走る群馬県道101号四ツ塚原之郷前橋線が主要な幹線道路として整備されています。

施設

地域内には、教育施設として前橋市立原小学校やぽらりす保育園があります。また、地域住民の集会や活動の拠点となる原上公民館、さらには円龍寺といった寺院も所在しています。

避難所

災害発生時などにこの地域が避難対象区域となった場合、町内にある前橋市立原小学校が指定避難所として開設されることになっています。

出身有名人

明治期に活躍した農業研究家であり、「明治の三老農」の一人に数えられる船津伝次平は、この地域の出身です。

参考文献

本項目は、『角川日本地名大辞典 10 群馬県』（「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編、角川書店、1988年）などを参考に作成しました。

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