富士身延鉄道200形電気機関車

富士身延鉄道200形電気機関車とは

富士身延鉄道200形電気機関車は、1927年（昭和2年）に富士身延鉄道（現在のJR東海身延線）が製造した直流用電気機関車です。製造は川崎造船所が担当し、5両（200 - 204）が製造されました。この機関車は、富士身延鉄道の国有化に伴い、国鉄（当時の鉄道省）籍へ編入され、ED20形と改番されました。

車両の概要

200形は、川崎造船所が初めて製作した箱型車体を持つ中型電気機関車です。前面は非貫通構造で、隅に面取りが施されている点が特徴です。助士席側の面取り部分には、屋根に登るためのステップが設けられています。当時の川崎造船所製の電気機関車は丸型の側窓を持つものが多かったのですが、200形は四角形の窓を採用しています。乗務員室扉は助士席側のみに設置されています。

機能面では、通常の空気ブレーキに加えて発電ブレーキを装備しており、当時の技術水準の高さを物語っています。

導入後の変遷

当初、5両製造された200形のうち、200号機は1941年（昭和16年）に三信鉄道へ譲渡され、デキ501形501となりました。残りの4両（201 - 204）は、1941年5月1日の富士身延鉄道国有化に伴い国鉄籍へ編入され、甲府機関区に配属されました。そして、ED20形（ED20 1 - ED20 4）と改称・改番されました。

三信鉄道に譲渡されたデキ501も、1943年（昭和18年）8月1日に三信鉄道が国有化されたことで国鉄籍となり、甲府機関区に転属しました。これにより、富士身延鉄道200形を出自とする全車両が国有鉄道の籍を有し、身延線で使用されることになりました。ただし、デキ501はED20形には編入されず、三信鉄道時代の形式・番号のまま運用されました。その後、デキ501は第一種休車指定を受けた後、1948年（昭和24年）に鳳電車区に移動しましたが、本線復帰することなく1949年（昭和24年）に廃車となりました。

ED20形に改称された4両は、1948年（昭和24年）に一部が鳳電車区へ移動し阪和線で使用されたり、作並機関区へ移動し仙石線で使用されました。しかし、1959年（昭和34年）3月までに全機が廃車となり、私鉄へ払い下げられることなく解体処分されました。

関連事項

* 三信鉄道の電車

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