富士24時間レース

富士24時間レースについて

富士24時間レース（ふじにじゅうよじかんれーす）は、日本における耐久自動車レースのひとつで、富士スピードウェイを舞台に行われています。このレースは1967年に初めて開催され、当時は日本初の24時間耐久レースとして注目を集めました。さらに、世界的にもル・マン、スパ・フランコルシャン、デイトナに次ぐ、歴史あるレースのひとつとされています。

歴史と発展

初回の富士24時間レースは、OCCとFISCOクラブによって運営され、多くの観客が集まりました。スタート方式には「ル・マン式」が採用され、ドライバーがマシンに駆け寄って乗り込むシーンが印象的でした。しかし、この初回レースは濃霧に見舞われ、出走した33台のうち20台しか完走できませんでした。12月には富士12時間レースも開催され、耐久レースの盛り上がりを見せました。

しかし、その後の富士24時間レースは1968年の一度の開催にとどまり、その後はセミ耐久レースや500kmレースなどが中心となりました。約50年後の2017年、富士スピードウェイは近隣住民との合意の下、レースの再開に向けた取り組みを始め、2018年に「富士SUPER TEC24時間」として復活しました。このイベントは、十勝24時間レース以来10年ぶりの開催となり、かつての「インターTEC」レースから名前を継承しています。現在、レースの模様はJ SPORTSやスーパー耐久公式YouTubeでライブ配信され、多くのファンが楽しむことができます。

観客の楽しみ

富士スピードウェイでは、メインスタンド以外では座席が用意されていないため、観客の多くが自前のテントを持ち込み、バーベキューを楽しむ様子が見られます。また、一部の駐車場では、車とキャンプスペースをセットで予約することができるため、快適な観戦スタイルを選ぶことが可能です。

レギュレーションとルール

富士24時間レースの運営は、基本的にスーパー耐久シリーズのレギュレーションに基づいていますが、ドライバー人数が通常よりも増加する特例が設けられています。ドライバーは、E/Fの2名を追加して最大6名まで搭乗可能ですが、ナイトセッションでの走行は限定されています。

また、騒音対策として排気音の規制があり、夜間の走行に備えて光るカーナンバーパネルの装着が求められています。最速クラスの車両には特別なヘッドライトの装着が許可される一方で、遅いクラスにはリアにLEDの設置が義務付けられ、混雑したサーキットを安全に走行できるように配慮されています。

メンテナンスとポイント制度

決勝レース中には「メンテナンスタイム」が設けられ、レース開始から20時間以内に1回10分以上のピット作業が求められます。この制度はトラブル発生時にも対応可能で、レースの安全性を高めています。ポイント制度についても通常の2倍が与えられ、ウェイトハンデが適用されるなど、競争がより公平に行われるよう工夫されています。

2021年には新たにST-Qクラスが設けられ、トヨタ・カローラスポーツの水素燃料エンジン搭載モデルも参戦し、環境への配慮がなされています。これに伴い、ピットエリアに臨時の水素ステーションが設置されるなど、最新の技術が導入されています。今後も富士24時間レースは進化を続け、多くのファンに愛されるイベントであり続けるでしょう。

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