富山市立楡原中学校

富山県富山市南部に位置する富山市立楡原中学校（とやましりつ にれはらちゅうがっこう）は、この地域の中核を担う公立中学校です。

設立と歩み

本校の歴史は、戦後間もない1947年（昭和22年）4月23日に遡ります。当時の富山県上新川郡楡原町と猪谷村が共同で設立した組合立中学校として、「楡原中学校」と「猪谷中学校」が開校しました。教育環境の整備は順調に進み、1951年（昭和26年）には行幸記念碑が建立され、1954年（昭和29年）には学校の講堂、1956年（昭和31年）には新たな校舎が完成しました。そして、1961年（昭和36年）には生徒への完全給食が開始されるなど、教育内容と環境の充実が図られました。1967年（昭和42年）には、かつての猪谷中学校が本校に統合され、体制が強化されました。

施設拡充と現代化

学校施設のさらなる近代化を目指し、1980年（昭和55年）6月から新校舎の建設工事が始まりました。翌1981年（昭和56年）4月には、鉄筋コンクリート造4階建て、延床面積約3,320平方メートルを誇る新しい校舎と体育館が竣工し、生徒たちの学習環境は飛躍的に向上しました。その後、2000年（平成12年）にグラウンドの整備が始まり、2001年（平成13年）6月4日に完成しました。また、2009年（平成21年）には校舎の改修工事が完了し、施設全体の機能性が高められています。

教育活動と評価

楡原中学校は、教育活動においても高い評価を受けています。1992年（平成4年）には生徒指導推進モデル校区に指定され、同年、地域社会への貢献活動が評価され、富山県教育委員会から優良学校表彰（奉仕活動部門）を受賞しました。さらに、2015年（平成27年）には、小学校との連携強化における取り組みが評価され、再び富山県教育委員会より優良学校表彰（小中連携部門）を受賞しています。2017年（平成29年）にはユネスコスクールに認定され、国際理解や持続可能な社会の実現に向けた教育にも力を入れています。同年には創校70周年を祝い、記念式典が盛大に執り行われました。

部活動の活躍 - ボート競技の強豪校

本校の部活動の中でも特筆すべきは、ボート部（漕艇部）の輝かしい実績です。1988年（昭和63年）に全国大会で女子総合優勝を果たすなど、古くから全国レベルの強豪校として知られています。2000年代以降もその勢いは衰えず、2006年（平成18年）には全国中学選手権競漕大会で女子ダブルスカルが優勝。2009年（平成21年）には同大会で男子シングルスカルと女子ダブルスカルが揃って優勝を飾りました。その後も、2011年（平成23年）の女子ダブルスカル2位、2014年（平成26年）の全国中学選抜ボート大会女子シングルスカル2位など、常に全国大会の上位に名を連ねています。2018年（平成30年）には全日本中学選手権競漕大会で男子ダブルスカル、女子ダブルスカルがダブル優勝を達成し、元気とやまスポーツ賞を受賞しました。2021年（令和3年）にも、全日本中学選手権競漕大会で男子個人シングルスカル3位、女子舵手付きクオドルプル3位となり、とやま県民スポーツ賞を受賞しています。直近の2022年（令和4年）にも、同大会で女子個人ダブルスカルが3位に入賞するなど、ボート部は現在も全国トップレベルで活躍を続けています。

通学区域と周辺環境

楡原中学校の通学区域は広範囲に及び、東猪谷、舟渡、小糸、伏木、吉野、寺津、町長、布尻、今生津、芦生、西笹津、岩稲、割山、楡原、楡原1区、楡原高田、楡原3区、庵谷、片掛、猪谷、三井アパート、蟹寺、加賀沢といった地域が含まれます。学校は清流・神通川の近くに位置し、周辺には国道41号が走り、交通の便も比較的良好です。学校敷地内には、富山市立神通碧小学校が併設されており、小中連携を推進する上での利便性が高い環境にあります。

アクセス

JR高山本線の楡原駅からは、徒歩でおよそ11分程度の距離にあり、生徒や関係者のアクセス手段の一つとなっています。

関連項目として、富山県中学校一覧などが挙げられます。

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