富山平野

富山平野の概要

富山平野は、富山県に広がる扇状地性の平野であり、富山湾に面しています。この平野は、複数の河川が形成した扇状地が複合的に組み合わさってできており、その地理的な特徴から、いくつかの地域に区分することができます。

地理的な特徴

広義の富山平野は、東は黒部川扇状地から、西は庄川扇状地まで広がります。平野の中央部には呉羽丘陵が位置しており、この丘陵によって平野は大きく二分されます。呉羽丘陵の東側を呉東平野、西側を呉西平野と呼びます。また、平野をさらに細かく三分する場合には、砺波平野、狭義の富山平野、黒部川扇状地として区別されます。

富山湾は水深が深く、海底の勾配が急であるため、河川から流れ込む土砂は海底に沈みやすく、三角州はあまり発達していません。そのため、富山平野の大部分は砂礫で構成された扇状地となっています。

古代の生物相

富山平野では、旧石器時代の遺跡が多数発見されています。これらの遺跡からは、ハナイズミモリウシ、バイソン属、ヤベオオツノジカ、ヘラジカ、ナウマンゾウ、オオヤマネコ、トラ、ヒグマなど、現在では日本列島に生息していない大型動物の化石や骨も見つかっています。これらの発見から、当時、富山平野には多種多様な大型動物が生息しており、人類による狩猟の対象となっていた可能性が高いと考えられます。

西部の地形

呉羽丘陵の西側は、庄川によって形成された扇状地である砺波平野と、海岸沿いの三角州性低地である射水平野に分かれています。砺波平野は、散村景観（散居村）が特徴的です。庄川扇状地が発達したことで、小矢部川は西側に押し出されるような地形になっています。また、射水平野には、かつて放生津潟という潟湖があり、現在も低湿地が広がっています。呉羽丘陵の西側に広がる台地は、境野新台地と呼ばれています。

東部の地形

呉羽丘陵の東側は、常願寺川と神通川の扇状地を含む狭義の富山平野と、黒部川、片貝川、早月川の急勾配扇状地域である新川平野に分けられます。狭義の富山平野はさらに、常願寺川扇状地、神通川扇状地、富山低地などに細分化されます。

富山平野は、このように多様な地形的特徴を持ち、それぞれが独自の歴史と文化を育んでいます。

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