常願寺川とは
基本情報
常願寺
川(じょうがんじがわ)は、
富山県中新
川郡
立山町と
富山市を流れる一級河
川で、最終的に
富山湾に注ぎます。
川の名前は
鎌倉時代に記録された文献に由来し、古くは新
川(にいかわ)または流域の地名に基づく複数の名称がありました。特に
洪水が多かったことから、常に「出水なきことを願う」という地域住民の思いが込められた名前でもあります。
地理的特徴
この
川は
富山県富山市南東部の
立山連峰北ノ俣岳を水源として、急峻な地形を流れています。真
川と湯
川が樺平付近で合流し、常願寺
川として知られるようになります。その後、称名
川、和田
川、小口
川を合わせて流れます。流路の延長は約56
キロメートル、流域面積は368平方
キロメートルに及びます。
歴史
常願寺
川は日本屈指の急流とされ、多くの水害に苦しめられてきました。
縄文時代から多くの支流が流れ、その形態は
江戸時代以降に現在のものへと移行しています。治水の本格的な取り組みは
1580年に
佐々成政が堤防を築いたことに始まります。その後も改修工事が行われ、特に
明治維新以降は土木技術が導入され、ヨハネス・デ・レーケが依頼されて大規模な治水工事が行われました。
環境と生態
上流域ではウィルダネスの状態が保たれ、主にイワナが生息しています。下流域にはカジカや鮎などの魚が多く生息しており、特にアジメドジョウが広範に見られるのは珍しいことです。
近代の治水対策
その後も治水対策は進められ、特に
1949年から
1967年にかけては大規模な河床掘削が行われました。現在は約950基の砂防設備が設置されており、堆砂量は約2,300万立方
メートルに達します。特に白岩砂防堰堤は
国の
重要文化財に指定されており、その存在はこの地域の治水の歴史と技術の結晶といえます。
自然環境と地域の関わり
河
川沿いには地域の歴史を語る遺物や地蔵像が点在し、それらは過去の水害の記憶を伝えています。また、地域住民はこの
川との関わりを深め、水の恵みを享受しながら生活を続けてきました。
おわりに
常願寺
川はその名称からもわかるように、地域の住民にとって特別な存在であり、その流れは自然環境や歴史、文化に深い影響を与えています。治水の努力とともに、現在もなお流れ続けているこの
川は、地域にとってのシンボルともいえるでしょう。