富山橋 (富士川)

富山橋（とみやまばし）

富山橋は、山梨県南巨摩郡身延町を流れる富士川にかかる橋で、国道300号上に位置しています。この橋は、本栖みちと呼ばれる道路の中で最も長く、地域の交通機関として重要な役割を果たしています。その名は、両岸に存在した富里村の「富」と下山村の「山」に由来していると考えられていますが、正確な由来は不明です。

歴史

富山橋の建設は1928年に始まりました。当初の計画は、有料の渡し船業者によるものでしたが、工事中に流失してしまいました。その後、1936年に県の費用負担で再び架橋が試みられ、最初は木製の橋が建設されました。また、吊り橋の試みも行われましたが、河川の増水により頻繁に流されてしまいました。挫折を重ねた末、1955年から1967年にかけて、木橋から全長457メートル、幅7メートルの歩車分離トラス橋に段階的に架け替えられ、この橋は長い間流失することなく使用されました。

老朽化と新橋の建設

しかし、架橋から約40年が経過した頃、老朽化が進行し、また波高島付近に中部横断自動車道身延インターチェンジが設けられることとなったため、問題が発生しました。旧橋の車道部は幅員がわずか5.5メートルであり、工事車両の通行に支障を来す一因となっていました。そこで、波高島地区の道路を改良する工事と並行して、旧橋の北側に新たな桁橋を架ける工事が行われました。

2008年、こうして新たに架け替えられた富山橋が開通しました。同時期に行われていた波高島トンネルの建設（全長742メートル）と合わせて、波高島バイパスとして供用が開始されました。その後、旧橋は閉鎖され、順次撤去されています。

橋の諸元

富山橋の詳細な諸元は以下の通りです：

• - 橋長：447メートル
• - 幅員：11.2メートル（車道と歩道を含む）
• - 路線名：国道300号（本栖みち）
• - 車線数：2車線

富山橋は、地域の発展と共に歴史を刻み、交通の要所としての役割を継続しています。今後もこの橋が地域社会と交通網を支える重要なインフラであり続けることが期待されています。

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