富山機関区

富山機関区：日本海縦貫線を支える拠点

富山県富山市新冨居にあるJR貨物関西支社の富山機関区は、日本海縦貫線の貨物輸送において重要な役割を担う車両基地および乗務員基地です。あいの風とやま鉄道線の富山貨物駅構内に位置し、青森信号場から吹田貨物ターミナル駅までをカバーする主力機関区として、その機能を維持しています。

多様な路線に対応する機関車

富山機関区の電気機関車は、日本海縦貫線沿線の様々な区間で運行される貨物列車に対応するため、交流と直流両方に対応できる車両で構成されています。具体的には、糸魚川～梶屋敷間、敦賀～南今庄間といった直流1500V・交流20kV（60Hz）区間、さらに羽越本線の村上～間島間の直流1500V・交流20kV（50Hz）区間など、複数の交直流セクションを通過する能力が求められます。そのため、配置されているすべての電気機関車は、交直流両用車となっています。

充実した検修設備と歴史

富山機関区は、旧富山貨車区の設備を継承し、貨車の交番検査も管轄しています。貨車検修施設は富山貨物駅構内東側に位置しており、車両の整備・保全にも力を入れています。

機関区の歴史は古く、1966年3月10日に富山第二機関区として発足しました。当初はEF70形電気機関車が主力でしたが、その後EF81形、そして現在のEF510形へと車両は更新されてきました。2006年には設立40周年、2016年には設立50周年を迎え、記念イベントも開催されています。国鉄分割民営化後も、JR貨物関西支社（金沢支店）として、日本海縦貫線の貨物輸送を支え続けています。1998年には糸魚川機関区を統合し、糸魚川派出を設置。現在も乗務員基地として機能しています。

EF510形電気機関車：主力車両

2023年3月現在、富山機関区にはEF510形電気機関車が多数配置されています。0番台23両、500番台15両の計38両が運用されており、青森信号場～吹田貨物ターミナル駅間を主な運行区間としています。 さらに、近年は城東貨物線、山陽本線、そして東海道本線への乗り入れも開始し、運行範囲を拡大しています。0番台はJR貨物オリジナルの車両で赤色を基調としており（愛称：ECO-POWER レッドサンダー）、500番台はJR東日本から譲渡された車両で、北斗星色とカシオペア色の2種類があります。両番台とも共通で運用されている点が特徴です。

糸魚川派出：乗務員基地としての役割

糸魚川駅には、富山機関区の糸魚川派出が設置されています。富山貨物駅～直江津駅間の乗務を担当し、乗務員基地としての機能を担っています。かつては貨車検修基地としての役割も担っていましたが、地域における貨物輸送量の減少に伴い、2007年までに貨車検修部門は廃止されました。

まとめ

富山機関区は、長い歴史と充実した設備を備え、日本海縦貫線の貨物輸送を支える重要な拠点です。多様な路線に対応可能な電気機関車と、広範囲をカバーする運用体制により、今後も日本の物流を支え続ける存在として期待されています。

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