富山県庁舎

富山県庁舎の概要

富山県庁舎（とやまけんちょうしゃ）は、富山県富山市にある行政機関の建物群を指し、本館、南別館、東別館、県議会議事堂、警察本部庁舎、富山県防災危機管理センターから構成されています。この庁舎群は、1935年に本館が完成して以来、富山県の行政の中心地として機能しています。

周囲には、富山県民会館や富山市役所、富山県総合福祉会館（サンシップとやま）が立ち並び、地域の公共施設として利用されています。また、県庁舎の北側正面には県庁前公園、南側には松川公園や富山城址公園があり、市民にとって憩いの場となっています。

庁舎の主な建物

本館

現在の本館は3代目で、神通川の改修によって生まれた廃川地に、都道府県主導の土地区画整理事業が実施されて1935年に完成しました。この建物は、国会議事堂の設計を手掛けた大蔵省の大熊喜邦が監修しており、当時の建築技術の粋を集めた構造になっています。440平方メートルの延床面積を持つ4階建ての鉄筋コンクリート造で、外観は左右対称の美しいデザインが特徴です。

本館は、太平洋戦争中の富山大空襲において焼夷弾の直撃を受けながらも残存した数少ない建築物の一つです。内部には、当時作られた鳳凰の彫刻や、大理石の手すりに化石が見られるなど、昭和初期の華麗なデザインが今もなお色濃く残っています。また、2015年には国の登録有形文化財に認定され、地域文化のシンボルとなっています。

本館の屋上には、緑化されたスペースが設けられており、一般の利便性も考慮されている場所です。ここには昭和天皇の歌碑も設置され、県民が利用できるベンチも用意されています。さらに、庁舎内には歴史や県の概要を紹介する資料展示室も設けられ、地域の学びの場ともなっています。

南別館

南別館は1961年に竣工した4階建ての鉄筋コンクリート造の建物で、本館の南側に位置しています。この建物は後に富山県防災危機管理センターの建設に伴い減築されましたが、依然として重要な役割を果たしています。

東別館

1986年に完成した東別館は、本館の東側に位置し、地上4階、地下1階の構造を持っています。この建物も鉄筋コンクリートで構成されており、行政機関の一部として利用されています。

県議会議事堂

初代県会議事堂は1909年に竣工しましたが、現行の議事堂は1971年に完成し、富山県庁舎内に併設されています。地上4階、地下1階の構造で、広い議場は吹き抜けのデザインが特徴です。

警察本部庁舎

1994年に竣工した警察本部庁舎は、地上11階、地下2階建てのインテリジェントビルで、富山県の治安を守る重要な役割を担っています。

富山県防災危機管理センター

2022年に新たに建設された富山県防災危機管理センターは、大規模災害に対する拠点として機能しており、必要な設備が整った施設です。

沿革

富山県庁は1871年に設置され、その後の歴史の中で何度か移転や火災による被災を伴いながらも、地域の発展とともに成長してきました。特に、1935年に完成した現本館は、その後の富山県のシンボルとして位置づけられています。

富山県庁舎の豊かな歴史は、地域の文化や行政の発展に寄与し続けており、訪れる人々にとっても興味深い観光スポットとなっています。

アクセス

JR富山駅や電鉄富山駅から徒歩約10分の距離にあり、交通の便も良好です。また、富山地方鉄道の路線を利用することで、県庁へのアクセスが容易です。

くれぐれも、この庁舎群には県民や観光客にとって重要な役割があることを理解しながら訪れると良いでしょう。

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