富山県道187号荒屋敷月岡町線

富山県道187号荒屋敷月岡町線

富山県道187号荒屋敷月岡町線（とやまけんどう187ごう あらやしきつきおかまちせん）は、富山県富山市を縦断するように走る一般県道です。

概要

この路線は、富山市内の大双嶺（おおそうね）地区を起点とし、月岡町（つきおかまち）に至る全長12,437メートルに及ぶ道路です。起点は富山市大双嶺字新屋敷割に位置しており、ここでは富山市林道大山荒屋敷千長原線と接続しています。一方、終点は富山市月岡町6丁目にあり、主要地方道である富山県道43号富山上滝立山線との交差点（開発交差点）がその地点となります。この県道は、富山市の山間部と市街地東部を結び、地域住民の日常生活や移動を支える役割を担っています。

沿革

富山県道187号荒屋敷月岡町線は、1960年（昭和35年）4月23日に県道として正式に認定されました。

路線状況

本路線は、概ね黒川に沿って延びていますが、その道路状況にはいくつかの課題が見られます。特に、黒川に並行する区間の一部には、安全施設であるガードレールが十分に設置されていない箇所が存在します。これらの区間では、道路のすぐ脇が急な崖となっている場所があり、過去には車両が路外に逸脱し、運転者などが死傷する痛ましい事故が複数回発生しています。これは、この路線の安全性を巡る大きな懸念点となっています。また、道路全体の道幅が狭い区間が多く存在することも特徴です。このため、特に大型車両同士や、急カーブでのすれ違いが困難な地点や、事実上対面通行が不可能な箇所も少なくありません。これらの状況は、利用するドライバーにとって注意が必要な点であり、交通の円滑性にも影響を与えています。

道路施設

計画段階にある道路施設として、貂飛トンネル（てんぴトンネル）が挙げられますが、これは現在未成道路であり、供用には至っていません。

地理

通過する自治体は、全区間にわたり富山県富山市のみです。

沿線では、複数の主要な道路と接続しています。起点の大双嶺字新屋敷割では富山市林道大山荒屋敷千長原線に接続し、途中、富山市東福沢地内では富山県道67号宇奈月大沢野線と重複する区間があります。さらに南下すると、中布目交差点で富山県道35号立山山田線と、月岡新交差点で富山県道68号富山外郭環状線と交差します。そして終点の月岡町6丁目にある開発交差点で富山県道43号富山上滝立山線に接続し、路線は終わります。

周辺地域には、富山地方鉄道上滝線の開発駅があり、公共交通へのアクセスも担っています。また、富山国際大学や富山県立中央農業高等学校、片山学園中学校・高等学校といった教育機関が立地しており、通学路としての役割も重要です。その他、地域の生活を支える施設として、富山市立月岡中学校、富山市立福沢小学校、富山市立月岡小学校といった学校、福沢郵便局、富山月岡郵便局、そしてスーパーマーケットである大阪屋ショップ月岡店などが沿線やその近隣に点在しています。レジャー施設としては、富山カントリークラブや大山カメリアカントリークラブといったゴルフ場、個性的な店舗として月猫カフェや山菜料理屋のくろ川なども見られます。これらの施設へのアクセスルートとして、本路線は地域にとって欠かせない存在となっています。

以上のように、富山県道187号荒屋敷月岡町線は、富山市の自然豊かな山間部と市街地を結ぶ重要な幹線道路の一つですが、同時にその狭隘な区間や安全上の課題も認識されています。利用にあたっては、周辺状況や交通ルールに十分な注意を払うことが求められます。

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