富山県道6号富山立山公園線
富山県道6号富山立山公園線は、富山県富山市の市街地から中新川郡立山町の弥陀ヶ原に至る主要地方道です。その経路は、富山平野部を横断し、立山町役場のある五百石地区を経由した後、立山連峰の山間部へと分け入ります。特に、立山黒部アルペンルートの一部である立山有料道路を含む区間は、通年マイカー規制が実施されており、バスや緊急車両などを除く一般車両の通行が厳しく制限されています。この道路は、地域の主要幹線道路としての役割に加え、山岳観光の重要なアクセスルートとしての側面も持ち合わせています。
本路線の歴史は古く、江戸時代には五百石への往来として機能していました。明治期には里道として整備が進み、1903年には常願寺川に初めて大日橋が架設されました。大正時代に入ると、五百石方面への道は県道富山五百石線として指定され、当時としては広めの道幅で整備されました。
戦後、1954年に立山開発鉄道が立山ケーブルカー（千寿ヶ原 - 美女平間）の営業を開始すると、富山県は立山の豊かな自然資源や観光資源、水力発電事業の開発を推進するため、美女平より先の登山道を拡幅する計画を進めました。1億4,000万円を投じて整備されたこの区間は、1955年に「立山登山道路」（美女平 - 追分間）として道路整備特別措置法に基づく一般有料道路となり、供用が始まりました。しかし、麓の千寿ヶ原と美女平間を結ぶ自動車道がなかったため、この有料道路を利用するにはケーブルカーで車両を運搬する必要があり、交通量は極めて限定的でした。開業当初は観光バスが運行されていましたが、他の自動車の通行は少なく、日平均の利用台数はわずかでした。
この状況に対し、富山県、関西電力、北陸電力、立山開発鉄道の出資による立山黒部有峰開発株式会社（後の立山黒部貫光）が中心となり、新たな観光開発が計画されました。これが、後の立山有料道路となる「立山高原パークライン」の建設です。追分から室堂間は1964年に、桂台から美女平間は1970年に開通しました。これにより、県道弘法称名豊木線を経由して、富山市街から立山町内の桂台を経て室堂まで自動車で直接アクセスできるルートが完成しました。
立山登山道路は1970年3月末に料金徴収期間が満了し、4月1日に無料開放され、富山県の一般県道となりました。一方、立山高原パークラインは、1971年4月の立山黒部アルペンルート全通を経て、同年5月に富山県が買収し、富山県道路公社が管理する「立山有料道路」となりました。この有料道路は、環境保護の観点から、1971年のアルペンルート全通と同時に、桂台より立山方面の全区間においてマイカー規制が導入されました。
その後、本路線は1976年に主要地方道として認可され、1993年には建設省（当時）により改めて主要地方道に指定されるに至ります。
富山県道6号富山立山公園線は、富山市西町にある西町交差点（富山県道43号富山上滝立山線交点）を起点とし、立山町芦峅寺の弥陀ヶ原（立山有料道路追分料金所付近）を終点としています。
富山市内では「平和通り」、五百石方面へ向かう区間は古くから「五百石街道」とも呼ばれています。主な構造物としては、富山市と立山町を結ぶ富立大橋や、立山町内の千垣トンネルがあります。
バイパスとして整備された下田バイパスは、立山町下田から東中野新に至る約3.4kmの区間です。このバイパスの開通に伴い、道源寺交差点から東中野新交差点に至る旧道の一部は県道指定が解除されました。さらに、2010年には立山町五百石市街地の混雑を避けるため、沢端から南下して東中野新に至る経路に変更されています。
前述の通り、立山有料道路区間は現在、立山黒部アルペンルートの一部として機能しており、環境保全のため通年マイカー規制が敷かれています。一般車両の通行はできず、路線バスなどの限られた車両のみが通行を許可されています。
また、本路線は経路の途中で複数の県道と重複しています。富山県道56号富山環状線の一部、富山県道161号岩峅寺大石原水橋線の一部、富山県道15号立山水橋線の一部、そして富山県道3号富山立山魚津線の一部などが該当します。
本路線が通過する自治体は、富山市と中新川郡立山町です。起点の西町交差点で富山県道43号に接続するほか、富山市内では富山県道65号富山大沢野線、富山県道56号富山環状線、富山県道365号流杉町袋線など主要な県道と交差します。
立山町内に入ると、富山県道68号富山外郭環状線、富山県道161号岩峅寺大石原水橋線、富山県道147号立山舟橋線、富山県道15号立山水橋線、富山県道3号富山立山魚津線といった幹線道路や、その他多くの県道と連絡しています。終点付近の立山有料道路区間では、富山県道182号原千垣停車場線、富山県道67号宇奈月大沢野線、富山県道43号富山上滝立山線、富山県道170号弘法称名立山停車場線など、立山観光に関連する路線と交差または接続します。これらの交差点を経由し、広範囲へのアクセスを可能にしています。
全体として、富山県道6号は、富山市街から立山町を結ぶ主要な動脈であると同時に、立山連峰への重要な玄関口としての役割を担う、歴史的にも現在も特別な性格を持つ県道と言えるでしょう。
沿革
本路線の歴史は古く、江戸時代には五百石への往来として機能していました。明治期には里道として整備が進み、1903年には常願寺川に初めて大日橋が架設されました。大正時代に入ると、五百石方面への道は県道富山五百石線として指定され、当時としては広めの道幅で整備されました。
戦後、1954年に立山開発鉄道が立山ケーブルカー（千寿ヶ原 - 美女平間）の営業を開始すると、富山県は立山の豊かな自然資源や観光資源、水力発電事業の開発を推進するため、美女平より先の登山道を拡幅する計画を進めました。1億4,000万円を投じて整備されたこの区間は、1955年に「立山登山道路」（美女平 - 追分間）として道路整備特別措置法に基づく一般有料道路となり、供用が始まりました。しかし、麓の千寿ヶ原と美女平間を結ぶ自動車道がなかったため、この有料道路を利用するにはケーブルカーで車両を運搬する必要があり、交通量は極めて限定的でした。開業当初は観光バスが運行されていましたが、他の自動車の通行は少なく、日平均の利用台数はわずかでした。
この状況に対し、富山県、関西電力、北陸電力、立山開発鉄道の出資による立山黒部有峰開発株式会社（後の立山黒部貫光）が中心となり、新たな観光開発が計画されました。これが、後の立山有料道路となる「立山高原パークライン」の建設です。追分から室堂間は1964年に、桂台から美女平間は1970年に開通しました。これにより、県道弘法称名豊木線を経由して、富山市街から立山町内の桂台を経て室堂まで自動車で直接アクセスできるルートが完成しました。
立山登山道路は1970年3月末に料金徴収期間が満了し、4月1日に無料開放され、富山県の一般県道となりました。一方、立山高原パークラインは、1971年4月の立山黒部アルペンルート全通を経て、同年5月に富山県が買収し、富山県道路公社が管理する「立山有料道路」となりました。この有料道路は、環境保護の観点から、1971年のアルペンルート全通と同時に、桂台より立山方面の全区間においてマイカー規制が導入されました。
その後、本路線は1976年に主要地方道として認可され、1993年には建設省（当時）により改めて主要地方道に指定されるに至ります。
路線データと状況
富山県道6号富山立山公園線は、富山市西町にある西町交差点（富山県道43号富山上滝立山線交点）を起点とし、立山町芦峅寺の弥陀ヶ原（立山有料道路追分料金所付近）を終点としています。
富山市内では「平和通り」、五百石方面へ向かう区間は古くから「五百石街道」とも呼ばれています。主な構造物としては、富山市と立山町を結ぶ富立大橋や、立山町内の千垣トンネルがあります。
バイパスとして整備された下田バイパスは、立山町下田から東中野新に至る約3.4kmの区間です。このバイパスの開通に伴い、道源寺交差点から東中野新交差点に至る旧道の一部は県道指定が解除されました。さらに、2010年には立山町五百石市街地の混雑を避けるため、沢端から南下して東中野新に至る経路に変更されています。
前述の通り、立山有料道路区間は現在、立山黒部アルペンルートの一部として機能しており、環境保全のため通年マイカー規制が敷かれています。一般車両の通行はできず、路線バスなどの限られた車両のみが通行を許可されています。
また、本路線は経路の途中で複数の県道と重複しています。富山県道56号富山環状線の一部、富山県道161号岩峅寺大石原水橋線の一部、富山県道15号立山水橋線の一部、そして富山県道3号富山立山魚津線の一部などが該当します。
地理
本路線が通過する自治体は、富山市と中新川郡立山町です。起点の西町交差点で富山県道43号に接続するほか、富山市内では富山県道65号富山大沢野線、富山県道56号富山環状線、富山県道365号流杉町袋線など主要な県道と交差します。
立山町内に入ると、富山県道68号富山外郭環状線、富山県道161号岩峅寺大石原水橋線、富山県道147号立山舟橋線、富山県道15号立山水橋線、富山県道3号富山立山魚津線といった幹線道路や、その他多くの県道と連絡しています。終点付近の立山有料道路区間では、富山県道182号原千垣停車場線、富山県道67号宇奈月大沢野線、富山県道43号富山上滝立山線、富山県道170号弘法称名立山停車場線など、立山観光に関連する路線と交差または接続します。これらの交差点を経由し、広範囲へのアクセスを可能にしています。
全体として、富山県道6号は、富山市街から立山町を結ぶ主要な動脈であると同時に、立山連峰への重要な玄関口としての役割を担う、歴史的にも現在も特別な性格を持つ県道と言えるでしょう。
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