富岩鉄道ロコ2形電気機関車

富岩鉄道ロコ2形電気機関車

富岩鉄道ロコ2形電気機関車は、1940年（昭和15年）に富岩鉄道（現在の富山地方鉄道富山港線）が導入した直流用電気機関車です。この機関車は、その後の戦時買収によって鉄道省（後の日本国有鉄道、国鉄）に編入され、ED26形（初代）と改称されました。

概要

この機関車の出自には、いくつかの謎があります。公式には、1924年（大正13年）にアメリカのボールドウィン（機械部分）とウェスティングハウス・エレクトリック（電気部分）で製造されたものが、1940年（昭和15年）4月に日本鉄道自動車工業（日鉄自）で改造された凸型機関車とされています。しかし、外観は日鉄自のスタイルが強く、ウェスティングハウス社製の機関車に見られる特徴はほとんどありません。この矛盾については、輸入された部品を使用したため、あるいは日鉄自で大幅な改造が行われたためという説がありますが、詳細は不明です。

富岩鉄道が1940年の導入時に鉄道省に提出した設計認可には「中古車両を購入」と記載されています。これは、当時戦時統制の影響で車両の新造が難しくなっていた背景も関係していると考えられます。いずれにしても、この機関車の正確な出自は明らかになっておらず、一般的には1940年に日鉄自で製造された電気機関車として扱われています。

国鉄への編入とその後

1941年（昭和16年）12月1日、富山電気鉄道（1943年に富山地方鉄道に改称）に合併し、さらに1943年6月には戦時買収によって国有化され、国鉄籍に編入されました。国有化後、当初は買収前の形式番号のまま使用されましたが、1952年（昭和27年）にED26 1と改番されました。

国鉄時代は一貫して城川原支区に配置され、富山港線で運用されました。しかし、1961年（昭和36年）に同線の架線電圧が昇圧（直流600Vから1,500Vへ）されたことに伴い、同型のED25 1と共に除籍されました。

その後、この機関車は越後交通に払い下げられ、国鉄時代の番号のまま、1980年（昭和55年）まで同社長岡線で運用されました。

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この機関車は、その出自の謎と、その後の活躍によって鉄道ファンに知られています。

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