富平辰文

富平辰文：不屈の闘志でK-1の舞台を駆け抜けた男

富平辰文（とみひら たつふみ）は、1976年2月9日生まれ、愛知県名古屋市出身の空手家であり、元キックボクサー。現在は企業家として活躍しています。

人物

新極真会出身でありながら、正道会館にも籍を置くという異色の経歴を持ちます。「JAPANのド根性野郎」「ミスター闘争本能」といった異名が示すように、誰に対しても臆することなく立ち向かうアグレッシブなスタイルで観客を魅了しました。

武蔵以上の逸材と評されながらも、同時期の他の日本人選手と同様に、K-1の舞台ではなかなか結果を残せずにいました。しかし、ピーター・ボンドラチェックやセルゲイ・グールといった強豪外国人選手から勝利を収めており、日本人ヘビー級選手としては世界と戦える稀有な存在でした。

谷川貞治は、富平のメンタルの強さを特筆しています。「日本人ファイターは外国人トップファイターと対戦すると臆するところがあるが、冨平選手はそんなことはない」と語っており、その言葉通り、富平は常に果敢に強豪に挑み続けました。

キャリア初期には、ロイド・ヴァン・ダムやミルコ・クロコップといったトップファイターとも対戦。ヴァン・ダム戦では、果敢なラッシュで石井館長を「打ち負けてませんよ！入ってますよ！」と興奮させ、谷川貞治に「ヴァン・ダムを後ろに下げたのは凄いですよ」と言わしめました。ミルコ戦では、劣勢の中でも挑発するなど、ファイターとしての意地を見せつけました。レイ・セフォー戦でも、一瞬ぐらつかせるなど見せ場を作り、5ラウンドを戦い抜きました。2004年のJAPAN GP一回戦では、マイク・ベルナルドに日本人として初めて勝利を収めています。

2011年に惜しまれつつも現役を引退。引退後は、その経験を活かし、企業家として新たな道を切り開いています。

来歴

2000年5月28日、K-1初参戦。JAPAN GPの1回戦で武蔵に判定負け。
2004年6月29日、K-1 BEAST 2004 in SHIZUOKAにて、マイク・ベルナルドに1RKO勝ち。
2005年6月14日、K-1 WORLD GP 2005 in HIROSHIMAでは1回戦で天田ヒロミに判定勝ち、準決勝で藤本祐介にKO勝ち。決勝でボブ・サップに判定負け。
2007年4月28日、K-1 WORLD GP 2007 in HAWAIIで行われたUSA GP 1回戦でアレキサンダー・ピチュクノフにKO負け。
2007年8月11日、HEAT 4でビッグ・モーに判定勝ち。
2007年11月25日、HEAT 5でアレックス・ロバーツに判定負け。
2008年7月13日、K-1 WORLD GP 2008 IN TAIPEIでルスラン・カラエフにKO負け。
2008年12月14日、HEAT 8のHEATキックルールヘビー級トーナメント1回戦をアキレス腱断裂により欠場。
2009年4月5日、結婚。
2009年11月1日、HEAT 12で田中STRIKE雄基にKO勝ち。弟・忠将も出場。
2010年7月18日、HEAT 14のHEATキックルールヘビー級タイトルマッチを眼窩底骨折により欠場。
2011年、現役引退。

戦績

数々の強豪と拳を交え、K-1の舞台で確かな足跡を残しました。

主な獲得タイトル

* K-1 JAPAN GP 2005 準優勝

富平辰文は、その勇猛果敢なファイトスタイルと不屈の精神で、多くの格闘技ファンに感動を与えました。彼の戦いは、これからも語り継がれることでしょう。

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