寒月一凍悪霊斬り 神州魑魅変異聞
谷恒生による時代小説『寒月一凍悪霊斬り
神州魑魅変異聞』(かんげついっとうあくりょうぎり しんしゅうすだまへんいぶん)は、『
神州魑魅変』の
スピンオフ作品として、主人公・寒月一凍の活躍を描いた伝奇小説です。
あらすじ
物語は
元禄13年の
江戸を舞台に展開されます。人気絵草子書きの寒月一凍は、ある日、浪人に襲われていた女性を助けたことから、佐竹藩を巡る陰謀に巻き込まれます。助けた女性から「佐竹藩の秘密」が託されたことで、寒月は連続神隠し事件、佐竹藩の重臣・武田甚内の謀殺事件と、次々と起こる事件の真相を追うことになります。
事件の裏には、佐竹藩の藩主の座を巡るお家騒動、吉原の大店・稲本楼による人身売買といった闇が潜んでいました。寒月は、事件の犠牲となった武田甚内の娘・香織と共に、夢庵の屋敷へと乗り込み、事件の黒幕に立ち向かいます。
登場人物
寒月 一凍(かんげつ いっとう)
主人公。普段は売れっ子の絵草子書きですが、元旗本という過去を持ち、鉄扇を武器に悪を討つ剣の達人です。正義感が強く、困っている人を見過ごせない性格で、佐竹藩の事件に深く関わることになります。
武田 香織(たけだ かおり)
佐竹藩
江戸留守居役・武田甚内の娘。父の仇を討つため寒月を頼り、行動を共にします。
麻蔵(あさぞう)
寒月の仲間の忍者。情報収集能力に長け、寒月をサポートします。
銀之助(ぎんのすけ)
情報屋。寒月に協力し、事件の真相解明に貢献します。
染太郎(そめたろう)
芸妓。寒月に想いを寄せており、情報提供などで寒月を助けます。
稲本 夢庵(いなもと むあん)
吉原の稲本楼の主。裏では幕閣や諸藩の重臣と繋がり、悪事を重ねています。佐竹藩のお家騒動に深く関与しています。
黄昏 陰歳(たそがれ いんさい)
夢庵の手下で、奇術師。奇術を使い、娘たちを誘拐し、海外へ売り飛ばしています。過去に辛い経験をしており、武士を憎んでいます。
紅(くれない)
陰歳の妹。姉と共に奇術を使い、寒月たちを翻弄します。
源七(げんしち)
夢庵の手下。陰歳と共に悪事に手を染めます。
佐竹 義昭(さたけ よしあき)
佐竹藩主・義宣の弟。藩主の座を狙い、夢庵と手を組みます。
一色 右京(いっしき うきょう)
佐竹藩江戸家老。義昭の側近として暗躍しますが、裏では藩の実権を握ろうと企んでいます。
高柳 錬蔵(たかやなぎ れんぞう)
北
町奉行所の
同心。寒月に事件の相談を持ちかけ、共に捜査を進めます。
広斎(こうさい)
江戸で人気の美人画絵師。寒月の友人でしたが、事件に巻き込まれ命を落とします。
芳兵衛(よしべえ)
徳文堂の版元。寒月の絵草子の出版を手掛けています。
書誌情報
トクマ・ノベルズ版:1988年3月発売 ISBN 978-4191536289
文庫版:1992年10月発売 ISBN 978-4195673287
アニメ版
1989年に
OVAとしてアニメ化されています。監督は
出崎哲、アニメーション制作は
マジックバスが担当しました。
主題歌
「レゲエでチャンバラ」
外部リンク
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寒月一凍悪霊斬り - allcinema