寒河江善秋

寒河江 善秋 (さがえ ぜんしゅう)

寒河江善秋は1920年に山形県東置賜郡吉島村で生まれた、日本の社会活動家であり作家です。彼は置賜農学校を卒業後、18歳で満州拓殖公社に入社し、訓練局の訓練課で活動を開始しました。ここでは、満蒙開拓青少年義勇軍の訓練に従事しましたが、太平洋戦争が勃発すると、1941年に軍属として任務を果たしました。愛知県の豊橋市にある陸軍予備士官学校を経て、少尉に昇進し、ハルマヘラでの戦斗を経験し迎えた終戦の日を迎えました。1946年に復員した後、彼は故郷である吉島村に戻りました。

戦後、寒河江は地域の青年団活動に力を注ぎ、1947年に吉島村の青年団長に就任しました。1948年には、GHQの教育改革部門であるCIEが日本の教育指導者を対象に開催していたIFEL講習会に参加し、グループワーク理論を学びました。この経験を元に、彼は1951年に山形県産業開発青年隊運動を開始しました。この運動の目的は、農村における二・三男の失業対策や戦後の国土の復興を目指すものでした。

彼の活動は政府による支援を受け、1953年には「国土総合開発促進のため産業開発青年隊導入要綱」が策定され、全国各地に青年隊が設置されました。こうした青年隊は、戦後の農村開発に大きな貢献を果たしました。今でも、その流れを受け継いで活動している組織が、熊本県、宮崎県、沖縄県に存在しています。

さらに、1953年には日本青年団協議会の副会長に就任し、1965年には国際協力機構青年海外協力隊の立ち上げに尽力しました。大学の学生運動にも関与し、著名な活動家である藤本敏夫の身元引受人になったことでも知られています。

彼の著作

寒河江善秋はまた、著作活動にも力を入れており、彼が執筆した代表的な著作には以下があります。

• - 『茨の道を拓いて -- 山形県における創生期青年隊の回想』（1954年）
• - 『青年団政治学習の目標と方法』（1956年）
• - 『新中国の青年たち』（1957年）
• - 『青年団論』（1959年）
• - 『四苦八苦と忘られぬ人（戦後社会教育行政の移り変わり）』（1973年）
• - 『半遁世―非凡を平凡に生きる』（1974年）

略歴

寒河江善秋の主要な経歴は以下の通りです。

• - 1938年：満州拓殖公社に入社
• - 1951年：山形県産業開発青年隊運動を開始
• - 1953年：日本青年団協議会副会長
• - 1955年：財団法人産業開発青年協会常務理事
• - 1959年：国立中央青年の家運営委員
• - 1970年：社団法人日本奉仕協会常務理事
• - 1977年：死去

寒河江善秋は、彼の活動を通して返戻された地域の発展や若者の教育・啓蒙に貢献し、その影響力は現在の日本にも見ることができます。

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