日本青年団協議会

日本青年団協議会（日青協）について

日本青年団協議会（にほんせいねんだんきょうぎかい、略称：日青協）は、日本の青年組織「青年団」の全国的な連合組織です。地域に根ざした青年団が都道府県単位で連合し、さらにそれらが集まって日青協を構成しています。中央青少年団体連絡協議会にも加盟しており、日本の青年運動を牽引する重要な役割を担っています。

結成までの歴史

第二次世界大戦以前

青年団の全国組織の始まりは、大正時代に遡ります。1925年、全国の青年団員からの拠金で建設された日本青年館の完成を機に、大日本連合青年団が結成されました。その後、1927年には大日本連合女子青年団が発足しました。当時の青年団は男性のみの組織でしたが、女性の社会進出に伴い、未婚女性のための連合組織が誕生しました。

しかし、これらの組織は青年の自主的な運動というよりは、内務省や文部省の主導によって、青年を国家管理下に置くために作られた側面が強いものでした。1939年には大日本連合青年団が大日本青年団と改称し、国による統制が強化されました。勤労動員の核となり、紀元二千六百年記念の動員大会では、軍服姿で集団行動を行うなど、統制色が強まりました。

1941年には、大日本青年団と大日本連合女子青年団は大日本少年団連盟、帝国少年団協会とともに解体・統合され、大日本青少年団として再編されました。さらに、1942年には大政翼賛会の傘下に入り、1945年には大政翼賛会の解散とともに解散し、国民義勇隊として再編されました。

戦後

第二次世界大戦終結後、文部省は青少年団体の再設置を推奨し、戦地から帰還した青年たちは地域で自主的に組織を始めました。1946年には長野県で初の都道府県連合青年団が誕生し、翌年にはほとんどの都道府県で連合青年団が結成されました。これらの連合青年団は、全国組織結成に向けて会合を重ね、1947年には日青協の前身である日本青年団体連絡協議会が設立されました。

連合国軍最高司令官総司令部（GHQ）は、当初は戦前の大日本青年団の復活を警戒していましたが、冷戦の影響で反共産主義団体育成の観点から、青年団の全国組織結成に肯定的な立場を取るようになりました。GHQ民間情報教育局（CIE）から、共産主義的な組織を加盟させないように通達が出されましたが、最終的には「全体主義的な傾向を有しないこと」を条件として、折り合いがつけられました。

1951年、日本青年団体連絡協議会臨時大会で日本青年団協議会規約案が可決され、同年5月には、第一回理事会で金星豊治氏を会長とする執行部が選出され、正式に日本青年団協議会が発足しました。当初は、47都道府県中24府県の連合青年団が加盟しました。

戦前と戦後で大きく異なるのは、戦前の全国組織が行政当局の干渉を受け、上意下達型の組織だったのに対し、戦後の日青協は青年自身の自主性を重視した組織として発足した点です。日青協の役員は、すべて現役の青年団員から選出され、地域青年団の利益を擁護するサービス機関としての役割を担っています。

近隣国との交流

日青協は、結成直後から国際交流にも力を入れてきました。1954年には、日中国交正常化前に中国を訪問し、中国青年との交流を開始しました。1956年からは、中華全国青年連合会との定期的な交流を続けています。また、南北分断状態にある朝鮮半島の青年組織とも交流を行い、日本と国交がない北朝鮮の金日成社会主義青年同盟とも交流を続けています。

組織構成

日青協は、全国の都道府県連合青年団組織によって構成されています。ただし、東京都には連合青年団組織がないため、加盟団体は「道府県団」と呼ばれています。町内会や学区単位で組織された青年団は、単独では加盟できません。

加盟団体の条件は、以下の通りです。

政党・宗派に偏らないこと。
民主的な運営がなされていること。
会費を納入すること。（2007年度現在、一加盟団あたり30万円）
都道府県あたり一組織が原則。

日青協の声明は、常任理事会として発表されることが多く、加盟団に事前に通告されないことがあります。これにより、各加盟団も含む声明であると誤解されることが懸念されています。

執行部

執行部は、加盟団の代表2名からなる理事の互選によって選出されます。会長1名、副会長4名、常任理事11名、監事3名、そして会長が任命する事務局長1名で構成されています。任期は1年です。

副会長は男女各1名以上、常任理事は男女4名以上選出されるという規定があり、ジェンダーバランスに配慮した構成となっています。

会議

最高決議機関である大会は、年1回、通常5月4日から5日にかけて日本青年館で開催されます。この大会は「定期大会」と呼ばれ、執行部のほか、各加盟団の代表（男女各2名以上を含む6名）が参加します。

また、年2回以上、執行部と理事による理事会が開催されます。その他、執行部による常任理事会や、会長、副会長、事務局長からなる三役会も必要に応じて開催されます。

会費を納入できない加盟団は、会議にオブザーバーとして参加し、意見を述べることができますが、採決には参加できません。

財源

主な財源は、加盟団からの会費です。その他、日本青年館からの奨励金、事業収入、寄付金などがあります。全国青年大会については、別会計となっています。

事業

主な事業として、全国青年大会と全国青年問題研究集会があります。その他、平和祈念式典に合わせた「青年団平和集会」、全国地域婦人団体連絡協議会との共催による「北方領土全国婦人・青年交流集会」、地域青年団リーダーを対象とした「活動家研修集会」など、学習活動を中心とした事業を展開しています。また、1992年からは、中国の砂漠化地帯での植林活動を行う「植林訪中団」の派遣も行っています。

機関紙

日青協の機関紙として、月刊の「日本青年団新聞」を発行しています。一部200円で、年間購読や団体購読による割引があります。この新聞は、加盟団を通じて配布されるほか、購読者に直接郵送されます。

1991年から「Willy Times」という愛称が使われていましたが、2007年5月1日発行号より、本来の名称である「日本青年団新聞」に戻されました。

「日青ニュース」から引き継いだこの機関紙は、1951年に創刊され、当初は月刊のタブロイド版4ページで、全国の青年団員に無料で配布されていました。その後、旬刊発行、月刊発行、B5判8ページ、タブロイド版8ページと変遷し、1970年からは有料化され、郵送料も購読者負担となりました。2007年には、A4判8ページに変更され、横組みレイアウトとなりました。2016年からは、隔月発行となっています。

歴代会長

（※歴代会長のリストは省略）

脚注

[1] 参考文献など

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