寺崎盛永

寺崎盛永の生涯と戦歴

寺崎盛永（てらさき もりなが）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて影響力を持った武将です。彼は越中国の婦負郡に位置する寺崎氏の一員であり、上杉氏、後に織田氏の家臣として知られています。また、越中国の願海寺城の城主としても名を馳せました。

初期の戦歴

盛永は天文21年（1552年）に井田城主の飯田利忠との間で戦闘を展開しました。この戦いは、天神林と呼ばれる場所で行われ、地域の権力争いの一環として位置づけられています。その後、天正2年（1574年）には能登の畠山氏との混乱により、能登国の二宮にまで進攻しました。これらの戦闘を通じて、彼は戦国時代の日本において名を広めていきました。

上杉謙信と織田信長への仕官

盛永は後に上杉謙信の配下に加わります。元亀3年（1572年）6月18日、彼は毛利秀広との連署で、鰺坂長実に日宮城の敗北を伝えるという重要な役割を果たしました。しかし、天正6年（1578年）に謙信が急死すると、情勢が変わり、織田氏の影響力が越中に及ぼすようになります。この流れの中で、盛永は上杉氏から離反し、織田信長の下で仕官することを決意しました。

この決断は、当時の越中における権力構図を大きく変えるものでしたが、盛永の運命を大きく狂わせることとなります。天正9年（1581年）の3月、上杉景勝が越中に攻め込んできた際、盛永は景勝に対し誼を通じてしまい、その結果、信長が派遣した菅屋長頼の手によって願海寺城は陥落しました。

最期と名誉

盛永の物語はここで終わりません。願海寺城が落城した後の6月11日、彼は息子の喜六郎と共に佐和山城に護送されます。そして、信長の命令により7月17日に切腹を命じられました。このとき、喜六郎はわずか17歳の美しい少年で、その最期は荘厳なものであったと太田牛一は記録しています。

盛永の死は、その戦国時代における名将としての名声を高める要因ともなりました。一方で、安部政吉が景勝側近の樋口与六（直江兼続）に宛てた連署状では、盛永が能登で切腹したとされているため、彼の最後に関する説は分かれています。歴史学者の谷口克広は、これが誤情報であると指摘しています。

まとめ

寺崎盛永の生涯は、戦国時代の武将としての名誉と苦難を象徴しています。彼の行動は時代の流れを反映し、さまざまな勢力間の権力バランスを示すものでした。安土桃山時代の終焉まで、彼の名は歴史に刻まれ、多くの人々に記憶されています。

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