能登国

能登国の概要

能登国（のとのくに）は、日本の古代地方行政区分である令制国の一つで、現在の石川県北部に該当します。能登国は北陸道に属し、歴史的には重要な役割を果たしてきました。

沿革

能登国の成立は成務天皇の時代に始まります。この時期、能等国造が設置され、後に雄略天皇の下で羽咋国造が設置されたとされています。710年ごろには、越前国から羽咋郡、能登郡、鳳至郡、珠洲郡の四郡が分立し、養老2年（718年）5月2日に正式に能登国が成立しました。その後、能登国は天平13年（741年）に越中国に併合されましたが、天平勝宝8年（757年）には再び独立しました。

980年には、源順が能登国守として赴任したことが知られています。また、後に能登郡の名称は鹿島郡に改められました。江戸時代には、大部分が加賀藩の領地となり、一部は幕府領に属していました。特に、寛文11年（1671年）に加賀藩は羽喰郡を羽咋郡、鹿島郡を能登郡に改名しました。

近代以降の沿革

明治時代に入ると、能登国は様々な変遷を迎えました。明治初期の記録によれば、能登国は666村、合計275,361石余の土地がありました。この時期、幕府領や旗本領が加賀藩とともに存在しました。1869年には版籍奉還により、加賀藩の正式名称が金沢藩に変わり、1870年には管轄が高山県に、そして1871年には金沢県となりました。

最終的に、1872年には石川県に編入されました。明治維新直前の能登国は、現在のいくつかの自治体に該当します。特に、七尾市、輪島市、珠洲市、羽咋市、かほく市がその一部です。

内部の施設

能登国には、重要な国家機関としての国府と、国分寺が置かれていました。『和名抄』には「能登国国府在能登郡」とあり、現在の七尾市古府付近に存在したと考えられています。

また、能登国分寺跡（現在の七尾市国分町）は、国の史跡として認識されており、ここには古代の国分寺が位置していたことを示す基壇や柱跡が残されています。

神社と宗教

能登国内には、延喜式内社として記載された43社が存在します。その中でも特に重要な神社は、気多神社（現気多大社）であり、一宮として地元で広く信仰されています。さらに、能登国総社や伊須流岐比古神社なども地域の信仰の中心となっており、その歴史は古くから続いています。

地域の群や国司

能登国は、羽咋郡、能登郡（後に鹿島郡）、鳳至郡、珠洲郡の四つに区分されています。また、国司としては様々な人物が任命され、地方を統治しました。たとえば、村国子老や平群虫麻呂、安倍高貞などがその名を広げています。これらの国司は、能登国の歴史において重要な役割を果たしました。

まとめ

古代から近代にかけて、能登国は様々な歴史的変遷を経験し、多くの文化や伝統が根付いた地域です。その豊かな歴史は、現在の石川県の文化や社会に影響を与え続けています。特に、国府や国分寺などの歴史的遺産は、当地の歴史を物語る貴重な財産として現在に伝承されています。

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