封印映像

「封印映像」は、アットエンタテインメントおよびパノラマが制作・販売する、独自のホラーオリジナルビデオシリーズです。このシリーズの最大の特色は、そのタイトルにもあるように、一般には公開されず「お蔵入り」となったとされる様々な種類の映像に焦点を当てている点にあります。

本シリーズは、『ほんとにあった！呪いのビデオ』（通称：ほん呪）に携わったスタッフによって立ち上げられました。特に、初代監修は「ほん呪」で構成・演出を務めた児玉和土氏が担当し、編集には演出補として活躍した岩澤宏樹氏が起用されています。児玉氏は初期の6巻まで監修を務めた後、その役割は浦田暁生氏（7巻〜10巻）、そして現在は鬼塚リュウジン氏（11巻〜）へと引き継がれています。

一般的な心霊ドキュメンタリーとは異なり、「封印映像」で取り上げられるテーマは、必ずしも心霊現象に限定されません。傷害事件や自殺といった、霊以外の要因を含むとされる不可解な出来事を捉えた映像も含まれるのが特徴です。各エピソードは、まず映像提供者（投稿者）とスタッフ（レポーター）との対話から始まります。この対話を通じて、映像にまつわる事情や、なぜそれが「封印」されるに至ったのかといった背景情報が詳細に聞き出されます。その後、「封印された映像」が視聴者に提示されるという流れが基本です。初代監修の児玉氏は、単に心霊と思しき箇所を映すだけでなく、ドキュメント形式のホラー短編ドラマやオムニバスのような作品を目指したと語っており、この構成はその意図を反映しています。

ナレーションにも個性があり、多くの心霊作品で男性が担当する傾向がある中で、本シリーズでは女性ナレーションが採用されています。また、ナレーションは必要最低限に抑えられ、必要な情報の多くは画面上のテロップや提供者の証言によって補完されるスタイルを取っています。取り上げられる映像が「封印された」特別なものであるためか、1話あたりの尺が比較的長く設定されているのも特徴です。お蔵入りの原因となった「問題の箇所」が映し出されるまでに時間をかけたり、一度問題箇所を見せた後に関係者への取材を挟んで別の問題箇所を提示するなど、従来の形式にとらわれない手法が用いられることもあります。映像自体への比重が大きく置かれている点も特徴です。

「問題の箇所」については必ずリプレイが行われます。複数回のリプレイでは、拡大やスローモーションといった処理が加えられ、核心部分で映像が静止し、効果音（ほん呪シリーズでも使用された音も含む）が流れる演出がなされます。そして、本シリーズの最も印象的な要素として「オチ」が挙げられます。この「オチ」は、映像が封印された直接的な理由であったり、映像内で発生した悲劇（行方不明や死）の元凶であったり、あるいは呪いとも呼べるような不可解な結末であったりと様々で、まるで怪談の締めくくりのように視聴者に強い印象を残します。

各巻には複数のエピソードが収録されており、初期の1巻から27巻までは5話、28巻以降は4話構成となっています。総尺は約60分程度です。テレビ放送としては、エンタメ〜テレ（スカパー720ch）や、CSファミリー劇場の「オカルトフライデー」枠内でも放送されています。

シリーズの成功には、監修の児玉和土氏、岩澤宏樹氏、浦田暁生氏、鬼塚リュウジン氏といった主要スタッフに加え、歴代のインタビュアー兼ナレーション担当である山田氏（1-10巻）や田中氏（細江祐子氏、11巻-）、そしてスタッフの玉置氏（阿久津美咲氏、32巻-）といった方々が貢献しています。本シリーズの源流とも言える『ほんとにあった! 呪いのビデオ』や、関連性の深い『闇動画』などが挙げられます。

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