専門大学

大韓民国の専門大学の概要

大韓民国における専門大学は、技術系の高等教育機関であり、職業大学とも称される存在です。一般的な大学が通常4年間の教育課程を提供し、理論重視のカリキュラムを通じて研究職を育成するのに対し、専門大学は短期から3年のプログラムを通じて即戦力となる専門的な職業教育を中心に展開しています。特に看護学科に関しては4年制のプログラムがあります。

専門大学では、中堅工業技術者の育成が特に重要視され、全体の約60%が理工系の学科に分かれています。しかし近年では、ITや観光業などの新興分野にも焦点が当てられ、より多様な専門技術者を育成する機関が増加しています。1990年には120校以上の専門大学が存在しており、韓国の高い大学進学率（80%超）の一端を担っています。実践的な教育が評価され、卒業生は専門学士の資格を有することができます。

専門大学の設立背景

韓国の専門大学は、1949年の教育法の施行を契機に設立されました。当初は2年制の初級大学と共に存在しましたが、1963年に中卒者向けの実業高等専門学校、そして1970年に高卒者を対象とした専門学校が設立される流れとなりました。1979年には初級大学と専門学校が統合され、現在の専門大学という形態が整いました。一方で、専門学校は現在も存続しており、技術系高等教育機関として認可されています。

男女比の違い

専門大学では、学科や専攻によって性別の比率は異なるものの、全般において実務や専門的な分野が幅広く対象とされています。これは通常の四年制大学とも共通する特長です。

就職率の現状

1990年代以降、全国に多くの大学が設立され、大学進学者数は増加傾向にあります。しかし、アジア通貨危機の影響で新卒採用市場が厳しくなり、就職難が深刻化しました。それに対して、専門大学では実学が重視されるため、高い就職率を誇っていましたが、2000年代に入ることで状況は変わり、厳しさが増すこととなりました。それでも、特に半導体や自動車などの分野で専門的な技術者を育成する学科があり、卒業生は高い就職率を維持しています。

2009年度のデータによれば、四年制大学の卒業生の就職率は68.2%であったのに対し、専門大学卒業生は86.5%と非常に高いことがわかります。このことは、専門大学への進学希望者が増える要因となり、合格難易度の上昇も見受けられます。

編入学の動向

1998年には、大学編入学が認められるようになり、地方の専門大学からソウル圏の大学への編入が増加しています。これに影響され、地方の専門大学でも就職活動以外にも大学編入学を目指す学生が増加しています。特にソウルの大学は就職活動において有利とされており、地域格差が生まれています。地方大学や専門大学は地理的制約もあり、ソウルへの編入学が促進される理由となっています。

専門大学の社会的評価

特に専門大学は、産業界の要求に応じた教育を行い、企業が期待する即戦力となる人材を育成していると評価されています。就職率は全体で80%を超えており、四年制大学が約60%という中で、その結果は顕著です。ただし、少子化の影響を受け、定員割れや学生募集の難しさが専門大学全体でも具体化しています。一方で、学歴社会の影響が強く、四年制大学への編入試験は競争倍率が高められています。最近では、技術を習得するために専門大学への入学を希望する者も多く、専門大学の役割はますます重要性を増しています。

1998年以降は、その名称から「専門」という言葉を使わない大学も増え、柔軟な制度の変化が見られます。

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