射北中学校前駅

富山県射水市、かつて新湊市と呼ばれた地域に、富山地方鉄道射水線が走っていた時代に存在したのが射北中学校前駅です。この駅は、射水線の廃線に伴い1980年（昭和55年）4月1日に廃止されました。その名称が示す通り、近くには射水市立射北中学校（当時は新湊市立）がありました。

歴史

射北中学校前駅は、比較的新しい駅でした。開業したのは1958年（昭和33年）8月1日のことです。富山地方鉄道射水線の海老江駅と堀岡駅の間に、地域住民の利便性向上などを目的として新設されました。しかし、その歴史は長くは続きませんでした。射水線自体の運行が終了するのに伴い、開業からわずか22年後の1980年（昭和55年）4月1日に他の多くの射水線駅と共に廃駅となりました。

駅構造

廃止される直前の射北中学校前駅は、シンプルな地上駅の構造でした。単式ホームが一つだけ設けられており、線路は一本のみでした。このホームは、新港東口方面に向かって線路の左手側、すなわち南側に位置していました。駅員は配置されない無人駅であり、駅舎のような立派な建物はありませんでしたが、利用者が雨風をしのげるよう、ホームには小さな待合所が設置されていました。簡素な造りながらも、近隣住民や学生の足として機能していたことが伺えます。

駅周辺

駅が存在した当時の周辺環境としては、主要な道路である国道415号が比較的近くを通っていました。そして、駅名の由来ともなった新湊市立射北中学校が、現在も射水市立射北中学校として存続しており、駅のすぐそばに位置していました。これらの施設が、駅の利用者を形成する主要な要素であったと考えられます。

駅跡

射水線の廃線跡の多くは、現在、サイクリングロードとして整備されています。射北中学校前駅の線路跡も例外ではなく、四方駅跡の南方あたりから終点駅であった新港東口駅の近くに至るまで、舗装されたサイクリングロードに変貌しています。これは1997年（平成9年）の調査時点ですでに確認されており、2006年（平成18年）、そして2010年（平成22年）の時点でも同様の状態が維持されていました。駅の建物やホーム自体は撤去されていますが、駅が存在した具体的な場所については、2006年（平成18年）の調査では、かつてホームがあったと思われる場所に花壇が作られていたことが報告されています。このように、駅としての機能は完全に失われたものの、その場所には別の形で活用され、地域の一部として残されています。

隣の駅

富山地方鉄道射水線における射北中学校前駅の隣駅は、新港東口方面へ向かうと堀岡駅、越ノ潟・富山方面へ向かうと海老江駅でした。短い区間に駅が連続していたことが分かります。

もう一度検索