射表

射表（しゃひょう、Range tables）について

射表は、火砲の照準を正確に設定するために作られた数表で、特に間接照準においては砲の仰俯角を決めるために非常に重要です。これにより、砲の発射時に必要な角度を迅速に導き出すことができます。歴史的に見ると、第二次世界大戦の頃は射表が射撃管制装置に組み込まれ、砲弾の種類や発射薬の量が調整可能な場合には、これらの要素を考慮に入れた上で仰角を一目で把握できるシステムが実現されました。

ただし、射表は砲弾の種類ごとに異なるため、特殊な性能を持つ砲弾に関しては別途射表が必要となる場合が多く、これらの射表は通常、特定の資料として添付されるのが一般的です。現在では、コンピュータ技術の進展により、アメリカ軍のM23 MBCなど、迅速かつ正確に数値を計算するコンピュータが使われることが一般的になっています。その結果、射表は砲兵の教育や緊急時の直接照準射撃にのみ必要とされる場合が多く、使用頻度は低くなっています。

射表を作成するには、弾道学に基づく高度な微分方程式を用いて膨大な数値計算を行う必要があります。この方法はコンピュータが無い時代には非常に手間がかかり、多くの人手を要しました。また、射表の計算が火砲の開発過程において重要な役割を果たしていた時期もありました。

微分解析機は、科学技術計算や工学に関連する計算に広く利用されており、その中で射表の効率的な作成も目的に含まれていました。これらの機械を電子化することで計算速度が向上し、さらにアナログ特有の精度の限界を克服するために、全自動化されたデジタル計算機であるENIACが開発されました。

射表の使い方

例えば、ニュートン6インチ迫撃砲の射表を用いる場合、的までの距離が800ヤードであると仮定します。この場合、一番左の射程の行を参照して800のところを見れば、チャージ4で仰角を64度に設定すれば良いことがわかります。しかし、実際の射撃では、目標との高低差や風の影響なども考慮しなくてはなりませんので、その調整は現場の指揮官の判断に委ねられることになります。

関連項目

• - 間接射撃
• - コリメーター
• - 弾道学

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