将監鞍馬流

将監鞍馬流剣術について

将監鞍馬流（しょうげんくらまりゅう）は、日本の伝統的な剣術の流派で、鞍馬流としても知られています。この流派は、戦国時代から明治時代にかけての歴史を持ち、剣術の発展に寄与してきました。

歴史的背景

将監鞍馬流は、京八流の末流である鞍馬八流にその起源を持つとされています。この流派の創立者とされる大野将監は、天正年間（1573年 - 1592年）に流儀を設立しました。しかし、太平洋戦争による戦災で多くの歴史的資料が消失し、幕末の第14代宗家・金子助三郎までの継承系譜は詳しくは明らかではありません。

金子から流儀を継承した第15代宗家・柴田衛守は、元講武所の剣術教授である間宮鉄次郎から忠也派一刀流を学びました。明治10年（1877年）には西南戦争に参加し、明治12年（1879年）には警視庁撃剣世話掛となりました。その年、東京四谷に道場を開設し、勝海舟により「習成館」という名が付けられました。

形の変遷

柴田衛守の警視庁撃剣世話掛としての経験は、将監鞍馬流の形にも影響を与えました。特に、流儀の5本目の形「変化」が警視流木太刀形として採用されたことは、彼の指導成果の一つです。明治44年（1911年）には大日本帝国剣道形制定の委員も務めたことで、将監鞍馬流のスタイルが公的な場でも認知されることとなりました。

残念ながら、習成館は太平洋戦争によって焼失しましたが、柴田衛守の孫であり第17代宗家の柴田鐵雄によって再建されました。現在、伝わる形は7本に及び、その多くは現代剣道の基本ともされる要素を含んでいます。柴田鐵雄は、先代の柴田衛守が竹刀稽古に合わせて形を改良したのではないかと考えています。

系譜

将監鞍馬流の系譜は以下のように続いています：
大野将監 ― 林崎甚助 ― 金子助三郎 ― 柴田衛守 ― 柴田勧 ― 柴田鐵雄 ― 柴田章雄
この系譜は、剣術の伝承と技術の向上における重要な役割を果たしています。

関連文献および参考資料

将監鞍馬流についての詳しい情報は、以下の文献に記載されています。

• - 『月刊剣道日本』1999年8月号、スキージャーナル
• - 歴史群像シリーズ『日本の剣術2』、学習研究社
• - 堂本昭彦『明治撃剣家 春風館立ち切り誓願』、徳間文庫

まとめ

将監鞍馬流は古い歴史を持ちながら、時代とともに形を変えつつも、その伝統を守り続けている流派です。伝承される技術や理念は、剣術を学ぶ上で非常に価値のあるものと言えるでしょう。

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