尊道入道親王

尊道入道親王

尊道入道親王（そんどうにゅうどうしんのう）は、鎌倉時代末期から室町時代初期にかけての僧侶で、青蓮院の第18世門跡を務めました。後伏見天皇の第11皇子として生まれ、母は権大納言正親町実明の娘です。幼名は尊省といい、後に尊道と改名しました。また、尊道法親王とも呼ばれます。

生涯

1338年、持明院殿で着袴の儀を終えた後、尊円法[[親王]]の室に入り、1340年には妙香院を継承しました。1341年に親王宣下を受け、尊道と改名。1355年には天台座主に補任され、その後、都合三度にわたり天台座主を務めました。1356年には、尊円法[[親王]]から青蓮院門跡を継承します。1402年、天台座主を二条師良の息である道順に譲り、翌年、花園妙心院で入寂しました。享年72歳でした。

人物

尊道入道親王は、当代随一の貴僧として知られ、公武の祈祷に力を尽くしました。特に室町幕府との関係が深く、足利義詮以降、幕府との連携を深めました。中でも足利義満からの信頼は厚く、義満のためにしばしば祈祷を修しました。1394年には、義満が建立した相国寺の塔供養では導師を務めています。

歌道と書道にも秀でており、文化人としても優れた才能を持っていました。また、非常に話術に長けており、おもしろい人物であったと伝えられています。酒豪であったという逸話も残っています。

逸話

尊道入道親王には、以下のようなエピソードが残っています。1402年、再建された内裏で安鎮法を修した際、連日雨が降りました。足利義満は、正鎮法の際も雨が降るだろうとからかい、実際にその日も雨が降ったため、再度使者を遣わして尊道をからかいました。しかし、尊道は「降雨で結構。秘密の法文がある」と答え、使者がその内容を尋ねると、「雨フリテ地固マル」と答えたと言われています。この逸話からも、尊道の機転の利いた一面が伺えます。

参考文献

* 小川剛生『足利義満 : 公武に君臨した室町将軍』中央公論新社、2012年。

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