小川剛生

小川 剛生について

小川 剛生（おがわ たけお）は1971年生まれ、日本の国文学者である。彼は中世和歌史を専門としており、特に「二条良基」に関する研究でよく知られています。文学博士の学位を慶應義塾大学から2000年に取得し、その学位論文は「二条良基の研究―中世公家の学問世界―」という題名でした。現在は同大学の教授として教鞭をとっています。

略歴

小川氏は東京都出身であり、1993年に慶應義塾大学文学部国文学専攻を卒業しました。そこでの卒業論文では「中務卿宗尊親王とその周辺―鎌倉中期歌壇と歌人の研究」を発表しました。その後、1995年に修士課程を修了し、修士論文では再び二条良基に焦点を当てました。1997年には博士課程を中退し、熊本大学の文学部で講師としてキャリアをスタートさせます。

小川氏は1999年に「室町期の即位灌頂」に関する研究で第25回日本古典文学会賞を受賞。2000年には熊本大学で助教授となり、同大学での教育と研究を重ねました。2001年には国文学研究資料館の助教授に転任し、2007年には准教授となりました。その後、2009年に慶應義塾大学の文学部で准教授として勤務し、2016年からは教授に昇進しました。

研究業績

小川氏は二条良基に関する非常に多くの研究を発表しており、研究の中では彼の著書『二条良基研究』が特に注目されています。この研究は日本の中世における和歌の状況を深く洞察するものであり、国文学界において高く評価されています。また、兼好法師に関する研究でも知られ、著書『兼好法師-徒然草に記されなかった真実-』では、兼好の出自に関する新たな見解を示し、大きな反響を呼びました。

加えて、彼は金槐和歌集の伝本に関する新たな説も発表しており、柳営亜槐本が足利義尚によるものであるとする見解は、学界で重要な位置を占めています。

主な著作

小川氏の主要な著作には次のものがある：

• - 『拾遺現藻和歌集 本文と研究』（三弥井書店、1996年）
• - 『南北朝の宮廷誌：二条良基の仮名日記』（臨川書店、2003年）
• - 『二条良基研究』（笠間書院、2005年）
• - 『武士はなぜ歌を詠むか』（角川学芸出版、2008年）
• - 『兼好法師：徒然草に記されなかった真実』（中公新書、2017年）

彼の研究や著作は、日本の古典文学や中世文化に関する理解を深める手助けとなり、多くの学生や研究者に影響を与えています。

受賞歴

小川氏はその研究活動により、いくつかの賞を受賞してきました。例えば、2006年には『二条良基研究』において第28回角川源義賞を受賞し、その際には最年少という記録を達成しました。また、2018年には『兼好法師-徒然草に記されなかった真実-』が第3回西脇順三郎学術賞を受賞しました。

国文学者として、日本の中世文芸に関する多くの貴重な研究成果を残している小川剛生氏。彼の業績は今後の国文学研究の進展に寄与することでしょう。

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