小与島

小与島の魅力と歴史

香川県坂出市に位置する小与島は、昔は花崗岩によって形成された小高い山の島でした。しかし、採石業の影響でその景観は大きく変わってしまいました。現在では、採掘場の跡地に水が溜まり、多くの池が点在する独特の風景が広がっています。この島は与島の東隣、与島塩浜港から約1.5キロメートルの距離に位置しており、周囲の自然と一体化した貴重な環境にあります。

歴史的背景

小与島では、古くから「与島石」として知られる岩石の採掘が行われていました。昭和時代にはその採掘が盛んで、島にはおよそ190人の住民が住んでいましたが、資源の枯渇に伴って採石場が閉鎖されることになります。その結果、ほとんどの島民は他の地域に移住してしまい、2020年の時点ではたった1世帯が残るのみとなっています。電気や水道は、隣接する与島を経由して瀬戸大橋に架設された送電線や送水管から供給されています。また、日本郵便の規定により、交通が困難な地域と指定され、直接郵便物が届かない不便さも抱えています。

観光の歴史

1988年に瀬戸大橋が開通したことにより、小与島は一時的に観光ブームを迎えました。本州と四国が陸路で結ばれたことで、多くの観光客が訪れ、年間で774万人もの人々がこの島を訪れました。その後、与島も採石業の衰退を受けて振興策としてレジャーランドの構想が浮上し、高級リゾートホテル「ホテルアクア小与島」が開業されました。しかし、経済状況の変化によりバブル崩壊が影響し、数年後に経営が厳しくなり閉鎖されました。現在でもホテルの跡地は廃墟として残り、その荒れた姿が訪れる人々に印象を残しています。

かつては運航されていた民宿の定期船により、隣接する与島との間の交通が便利でしたが、2006年には運航が終了しました。また、与島と小与島をつなぐロープウェイの構想もありましたが、この計画は実現を見なかったのです。

交通アクセス

小与島には定期的な航路が存在せず、訪れるにはチャーター船の利用が必要になります。周辺の港である児島港、坂出港、丸亀港からの出航が考えられます。このため、訪れることが難しい場所ではありますが、それゆえに得難い自然の美しさと歴史が息づいています。小与島は、尋ねる価値のある隠れた魅力スポットとして、多くの人々に愛され続けています。

もう一度検索