小久保智

小久保智調教師：地方競馬史に名を刻む名伯楽

小久保智氏は、1971年10月17日生まれの東京都出身の調教師であり、浦和競馬場を拠点に活躍しています。父の影響で幼少期から競馬に親しみ、大井競馬場で厩務員としてキャリアをスタートさせました。その後、浦和競馬場で村田貴広厩舎の調教師補佐を務め、経験を積んだのち、2005年3月に調教師免許を取得。

調教師としてのキャリアは順風満帆とは言い難く、初出走は4着に終わりましたが、すぐに才能を開花させました。同年8月には初勝利を収めると、その後はめきめきと頭角を現し始めます。開業3年目には浦和開催リーディング2位という好成績を収め、2008年には重賞初制覇を達成しました。

小久保氏の真価は、勝利数を重ねる中で発揮されました。2012年には年間131勝を記録し、南関東リーディングトレーナーの称号を初めて獲得します。この記録は、南関東地方競馬の調教師年間最多勝記録の更新を意味するものでした。さらに、2013年には地方競馬通算400勝、同年中には500勝という大きな節目を達成しました。

2014年には、園田競馬場で行われた兵庫ジュニアグランプリ（JpnII）でダートグレード競走初制覇を成し遂げます。この年は132勝を挙げ、南関東リーディングトレーナーを3連覇。さらに、NARグランプリでは最優秀賞金収得調教師賞を受賞するなど、地方競馬界を代表する存在として確固たる地位を築き上げました。

2015年には東京ダービーを制覇し、2017年には地方競馬通算1000勝という金字塔を打ち立てました。2019年には地元浦和競馬場で行われたJBCスプリントでJpn1初制覇を果たし、地元ファンを熱狂させました。そして2024年8月21日には、浦和競馬でレスールドマカロンが勝利し、地方競馬通算2000勝を達成。地方競馬の歴史に名を刻む偉業を成し遂げました。南関東所属の調教師としては初の快挙であり、地方競馬の調教師として28人目という栄誉です。

小久保氏の成功は、数々の優秀な管理馬たちの活躍によるところが大きいと言えます。数々の重賞競走を制した馬たちは、小久保氏の卓越した調教技術と深い馬との信頼関係の賜物です。

また、小久保氏は「トーセン」「エスティ」の冠名で知られる島川隆哉氏所有の馬を数多く預託しており、島川氏所有のエスティファームの小見川分場を6馬房の外厩として利用するなど、馬の育成にも力を入れています。

小久保智氏は、単なる勝利への執着だけでなく、馬への深い愛情と、常に高い目標を掲げ、地道な努力を続けることで、地方競馬界に大きな足跡を残した、真の名伯楽と言えるでしょう。その功績は、これからも地方競馬の歴史に語り継がれていくことでしょう。

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