小便小僧

小便小僧（しょうべんこぞう）

ブリュッセルにある小便小僧は、放尿する少年の姿を模した噴水であり、観光名所として知られています。1619年にフラマン彫刻家のジェローム・デュケノワによって作られたもので、今日見られるのはレプリカです。本物の像は1960年代に盗難防止のため、ブリュッセル市立博物館に収蔵されています。この像は、ブリュッセルのシンボルとなっており、様々な文化的な側面を持っています。

起源と由来

小便小僧の由来にはいくつかの説があります。一つの説は、1142年にルーヴェン伯ゴドフロワ3世が幼少の頃、戦場で仲間を奮い立たせるために木に吊るされて公に小便をし、敵を驚かせたという話です。これによって、彼の軍は勝利を収めたとされています。

また、別の伝説では、反政府軍がブリュッセルを襲おうとした際、小便をかけられて爆発の導火線が消え、町が救われた少年がいたという話が伝わっています。この少年の名前はジュリアンであり、小便小僧の通称「ジュリアン坊や」はここから生まれたと言われています。

衣装と文化

小便小僧は、特別な行事や祭りの際にさまざまな衣装を着せられます。これまでに130回以上衣装が変えられ、現在も約1000着の衣装が保管されています。特にブリュッセルのグラン＝プラスにある博物館には多くの衣装が展示されており、訪れる観光客にも楽しさを提供しています。

水の問題

2018年には小便小僧の水鉢からの漏水が発見され、1日に約1000から2500リットルが下水へ流れ出ていることが分かりました。翌2019年には応急修理が行われ、透明な水が循環する形で復旧されました。

特別イベント

通常は水が流れる小便小僧ですが、特別なイベントでは異なる液体が流れ出すこともあります。例えば、ビール会社のプロモーションなどでは、実際にビールが流れ出ることもあります。デリリウムというビールの祭りの際には、特別にデリリウム・トレメンスが流され、通行人にも配られることがあります。

日本の小便小僧

日本にも小便小僧の像が様々な場所に存在しています。兵庫県伊丹市の荒牧バラ公園には、ベルギーのハッセルトから贈られたレプリカがあります。また、徳島県三好市の祖谷渓には、由来が異なる日本人少年風の像があります。この像の背景には、昔の旅人が谷の見下ろしから放尿を試みたという話があります。

東京都中央区の大丸東京店では、かつて純金製の小便小僧が展示されていましたが、1972年に盗まれてしまいました。また、JR浜松町駅の構内にも小便小僧が設置されており、港区のボランティア団体によって定期的に衣装が変更されています。

まとめ

小便小僧は単に観光名所であるだけでなく、様々な歴史や文化的な背景がある重要な存在です。これらの要素が絡まり合い、観光客や地元の人々に愛され続けています。小便小僧の目を引く姿は、地域のシンボルとして今もなお多くの人々を魅了しています。

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