小俣進

小俣 進（おまた すすむ）氏は、1951年8月18日に神奈川県で生まれた元プロ野球選手です。

プロ入りまでの道のり

藤沢商業高等学校を卒業後、社会人野球に進み、日本コロムビアと大昭和製紙富士でプレーしました。社会人野球での活躍が認められ、1972年のプロ野球ドラフト会議において、広島東洋カープから5位指名を受け、プロ入りを果たしました。

プロ野球選手としてのキャリア

広島でプロ生活をスタートさせた小俣氏は、1975年12月には萩原康弘選手との交換トレードにより、読売ジャイアンツへ移籍しました。巨人時代には、左投げのオーバースローから投げ込まれるストレートに加え、カーブ、フォーク、シンカーといった多彩な変化球を駆使し、一軍に定着。主にリリーフ投手として起用され、プロ入り後初めての勝利を手にしました。

1980年1月には、庄司智久、田村勲両選手と共に、古賀正明、小川清一両選手との3対2の大型トレードによってロッテオリオンズへ移籍します。当時のロッテはサウスポーの先発投手が水谷則博選手一人という状況であり、小俣氏には先発投手としての期待が寄せられました。ロッテ移籍1年目の1980年には、プロ入り初の完投勝利と完封勝利を同時に達成する活躍を見せます。しかし、慢性的な制球に課題を抱えていたため、シーズンを通して先発ローテーションを守り続けるまでには至らず、主に先発と救援を兼任する役割を担うことになりました。1984年11月、金銭トレードにより北海道日本ハムファイターズへ移籍しますが、日本ハムでの一軍登板機会はなく、翌1985年11月に現役を引退しました。

現役引退後の活動

プロ野球選手としてのキャリアを終えた後も、小俣氏は長く球界に貢献し続けました。1986年にはロッテで、1987年から1992年にかけては巨人において打撃投手を務め、チームの練習を支えました。1993年、長嶋茂雄氏が巨人の監督に復帰するのに伴い、小俣氏はその専属広報に就任。長嶋監督の退任後も終身名誉監督付の総務部主任として球団に残り、その後はスカウトとして星野真澄投手らを担当するなど、多岐にわたる業務に携わりました。2011年には、プロ野球の発展に貢献したスタッフとしてプロ野球コンベンションのスタッフ部門賞を受賞しています。巨人には2011年12月末まで在籍し、退団後は社会人野球チーム、セガサミーのスタッフとして活動の場を移しています。

人物

小俣氏の高校時代の同期には、「ラーメンの鬼」として知られる佐野実氏がいます。藤沢商業高校野球部でチームメイトだった佐野氏は、野球では小俣氏に敵わないと感じ、応援団に転向したとされています。小俣氏が調子を崩した際には、応援団として佐野氏が激励の意味を込めて厳しく接することもあったようです。高校卒業後も二人の交流は続き、小俣氏が佐野氏のラーメン店を訪れたこともありました。

主な記録

初登板: 1974年10月5日 対中日ドラゴンズ戦（広島市民球場）
初奪三振: 1975年5月28日 対読売ジャイアンツ戦（後楽園球場）
初先発: 1975年6月17日 対ヤクルトスワローズ戦（明治神宮野球場）
初勝利: 1977年6月30日 対阪神タイガース戦（後楽園球場）
初先発勝利: 1977年8月29日 対ヤクルトスワローズ戦（明治神宮野球場）
初セーブ: 1977年9月17日 対阪神タイガース戦（後楽園球場）
初完投勝利・初完封勝利: 1980年8月28日 対阪急ブレーブス戦（川崎球場）

背番号

広島: 50 (1973-1974), 29 (1975)
巨人: 46 (1976-1979)
ロッテ: 26 (1980-1984)
日本ハム: 41 (1985)
ロッテ (打撃投手): 70 (1986)
* 巨人 (打撃投手他): 96 (1987-1988), 115 (1989-1992)

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