小倉謙 (警察官僚)

小倉 謙の経歴と業績

生い立ち

小倉 謙（おぐら けん、1911年4月21日生まれ）は、日本の内務および警察官僚として多大な影響を与えた人物です。彼は名古屋市で生まれ、病院長である小倉金作の長男として成長しました。彼の教育は台湾の新竹中学校から始まり、愛知一中、さらには第一高等学校を経た後、1935年に東京帝国大学の法学部を卒業しました。この教育背景を持つ彼は、当時の行政試験に合格し、内務省に入省することとなります。

官僚としてのキャリア

1935年に内務省に入省した小倉は、警保局保安課に配属されました。その後、1937年7月には大分県の地方事務官として赴任し、大分県の地方課長、さらには鳥取県警察部特別高等課長などを歴任しました。彼のキャリアは戦争や平和の時代を経て発展し、内務事務官や内務大臣秘書官といった重要な地位を担うに至ります。

戦後の1945年には終戦連絡中央事務局の終戦連絡官に就任し、これにより政治部治安課の責任を持つこととなりました。その後は調査局の課長を務めたのち、1948年には総理庁内事局の調査課長として活躍します。彼はその後、国家地方警察本部に転じ、愛知県警察の主要なポジションをいくつも歴任し、最終的には1958年9月に警視総監に就任しました。

警視総監としての功績と辞職

警視総監としての任期中、小倉は浅沼稲次郎暗殺事件や、嶋中事件などの重大事件を抱えることになります。これらの事件による責任から、1961年2月には辞職を余儀なくされました。彼の辞職は日本の警察制度に対する多くの議論を引き起こしました。

辞職後の活動

その後は、海外技術協力事業団の監事や農地開発機械公団の理事長としても活動し、公共事業や国際協力にも貢献しました。彼の経験とリーダーシップは多くの分野において評価され続けました。

著作と文献

小倉の業績は、彼の著作にも見ることができます。彼は共著として『註釈警察全書』を1949年に出版。また、1979年には『小倉謙 追想録』が刊行され、彼自身の経験や思考が記されています。参考文献としては、上田正昭他による『日本人名大辞典』や、秦郁彦編の『日本近現代人物履歴事典』などがあり、詳しい情報を知りたい方には非常に有用でしょう。

小倉謙はそのキャリアを通じ、日本の内務・警察制度に深い影響を与えた官僚として、後世に語り継がれる存在となっています。

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