小倉電気軌道の電車

小倉電気軌道の電車について

概要

小倉電気軌道は、1918年に小倉軌道から馬車軌道を譲り受け、1920年に電化を実施しました。これに伴い、新たに5両の電車を製造し、1927年にはさらに1両が増備されました。その後、新車両の製造は行われず、1931年から1939年にかけて他社から11両の譲受があり、最終的に17両が存在しました。

1942年には、小倉電気軌道が九州電気軌道に合併された際、これらの17両も引き継がれ、番号は301から317に変更されました。その後も、番号は戦後の西鉄設立時まで引き継がれ、1955年には大規模な更新工事が実施されます。この工事で、窓が二段窓に改められ、集電装置もトロリーポールからビューゲルへ変更されました。

1957年以降、連接車である331形への置き換えが進み、1964年には最後の7両が廃車され、長い歴史に幕を閉じます。

形態別の概説

小倉電気軌道の車両は、木造の2軸単車であり、主に前面3枚窓のデザインを承継しました。全長は約8〜9メートル、幅は約2.1メートルです。ブリル21E台車を履いているのが特徴で、側面には出入台と8枚の窓が配置され、それぞれの車両は独自の形状を持っています。

自社発注車（1 - 6）

1から6号車は、小倉電気軌道が自身で発注した車両です。特に1から5は、1920年の電化開業時に枝光鉄工所で製造され、二重屋根に方向幕付きの仕様を持っていました。出入台はオープンデッキになっており、前方には取り外し式の前照灯が設置されています。追加で1932年に製造された6号車は、丸屋根のデザインを採用していました。これらの車両は、戦後に更新を受けて仕様が変更されています。

譲受車（7 - 12）

7から10号車は、肥前電気鉄道から譲り受けた電車です。特に307号と308号は、1915年に製造されたもので、譲受後に車体が拡幅され、屋根が丸屋根に改造されています。これに対し、309号は台風で損傷を受けた後に修復されましたが、その際に屋根や出入台のデザインが変更されました。11号と12号車は和歌山電気軌道の100形から譲受され、1937年に小倉電気軌道に追加されました。

最後の譲受車（13 - 17）

さらに、13から17号車は米子電車軌道からの譲受車両です。いずれも1925年から1926年にかけて製造され、扉は引き戸となっていました。317号は特に屋根が深い設計を持っており、他の車両と比較して一際目を引く存在となっていました。

まとめ

小倉電気軌道の歴史は、地域の交通インフラの変遷と共に進み、様々な車両が導入されました。電化による利便性の向上は、地域発展に寄与したことが考えられます。戦後の更新作業や合併を経て、最終的に歴史の一部となったこれらの車両は、鉄道ファンや地域住民に長らく愛されてきました。

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