小出英邨

小出 英邨の生涯

小出 英邨（こいで ふさむら）は、1751年に但馬国養父郡大藪領で生まれ、1809年に59歳で亡くなった江戸時代の旗本です。彼は父・小出英都の二男で、兄が幼い頃に亡くなったため、実質的に家の跡取りとして育てられました。初めは「政太郎」と名付けられましたが、その後に名を弾正や小弥太に改めています。

生涯の中の出来事

英邨は1767年、17歳の若さで父の遺志を継ぎ、小普請となりました。1768年の初めには将軍・徳川家治に初めて拝謁し、その後も江戸城の御書院番に加わりました。1772年には一時その役職を辞しますが、1780年には再び御書院番に復帰し、1790年には本丸での勤めを開始しました。

1797年には若君・徳川家慶に仕えて西之丸に仕官し、1809年に他界するまでその地位を保ちました。享年は59歳で、彼の法名は養徳院殿です。彼の墓所は麻布の天真寺にあり、遺産は三男の英為が引き継ぎました。

小出家の領地と陣屋の歴史

小出家は、出石藩から分与された領地を持ち、大江村、岩崎村、畑村、稲津村、大薮村、大塚村、上野村から成る計1500石を経営していました。このように領地が分散した背景には、出石藩との複雑な関係がありました。出石藩が断絶した後も、但馬には小出家の領地が残り、地域の歴史に大きな影響を与えました。

最初は行政を出石藩の城下町から行っていた小出英邨ですが、家系が無嗣断絶に伴って本拠地を移さざるを得なくなりました。その際、大塚村に「大塚陣屋」を設けましたが、火災によって陣屋は焼失し、その後大薮村に移され「大藪陣屋」となります。

大藪陣屋の詳しい位置と意義

「大藪陣屋」は、大薮村の高台に建設されており、南北に約150メートル、東西に約80メートルの広がりを持っていました。小出家の当主は江戸に定府としており、家老たちが交替で「陣屋与」として領地を治める体制が整えられていました。このことから、家臣たちは都市部と地方で異なる役割を持ち、各村にも在番勤務の侍が配置されるようになりました。

これらの制度は時と共に変化し、世襲制が確立するに至ります。小出英邨は、地域の発展と文化に影響を与える重要な人物であり、その歴史的背景を考えると、彼の影響力は今なお感じられます。

参考文献

• - 『寛政重修諸家譜』
• - 『養父町史』
• - 『大島貞薫傳』
• - 『但馬の殿様』吉盛智輝著、神戸新聞総合出版センター、2010年

このように、小出英邨の生涯と彼が築いた歴史は、但馬地域の重要な一部分を占めているのです。

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