書院番

書院番（しょいんばん）

書院番とは、江戸幕府において設けられた重要な職制の一つで、徳川将軍を守護する特別な部隊として位置づけられました。江戸時代初期、書院番は親衛隊としての役割を果たし、同じく将軍に仕える小姓組と共に「両番」として知られていました。書院番は五番方の一部として、大番、小十人、新番より上の地位を持ち、歴史的には武士たちにとって栄光の場でありました。

設立と組織

書院番は、慶長10年（1605年）に創設され、当初は水野忠清、青山忠俊、松平定綱、内藤清次の四名が番頭として任命されました。当初は組織は4組でしたが、後に6組にまで拡張され、番士たちの役割はますます重要になりました。特に、親衛隊としての特性を生かし、西丸が使用される際には、本丸とは別に四組が配置されました。各組は50名の番士、10騎の与力、20名の同心から成り立ち、番頭はその組の指揮官として指導的立場に立ちました。

毎年、書院番は交代で駿府に在番し、その活動と責任は非常に多岐にわたっていました。通常の交替番制では、将軍の外出に伴う供番などの役割も担った他、組の勤番は一週間ごとにローテーションされていました。そのため、番士たちは日々、将軍への忠誠を示し続けなければなりませんでした。

勤務場所の変遷

書院番の勤務場所も変わりました。設立当初は白書院紅葉の間で勤番していましたが、寛永20年（1643年）に新番が設立されると、紅葉の間を小姓組に譲り、虎の間へと移動しました。このように、書院番の歴史は、その役割の変化と共に進化してきたことを示しています。

特権と出世の道

書院番の役職は非常に高い格式を持ち、有能な番士には出世の機会が与えられました。多くの武士たちはこの地位を目指し、努力することで得られる光栄な地位に就くことができました。また、書院番は前述のように西丸と大番と共に将軍の旗本部隊に属し、その機能を果たしました。

特に、1600年の関ヶ原の戦いで西軍に与した結果、改易されて浪人となった立花宗茂は、1604年に再び徳川家康に召し出され、書院番頭に任じられました。このことは、書院番にとっても、そのメンバーにとっても、名誉な出来事でした。

まとめ

そして、書院番は江戸幕府における重要な職制であり、将軍を守るという重要な使命を持ちながら、その格式は絶えず高まっていきました。特に、出世の道を歩む武士たちにとって、書院番は大きな魅力でありました。江戸時代の政治的な背景の中で、書院番の存在は決して忘れられることはなく、日本の歴史の中で重要な役割を果たし続けました。

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