小千谷山本山高原スキー場

新潟県小千谷市に位置していた小千谷山本山高原スキー場（おぢややまもとやまこうげんスキーじょう）は、かつて多くのスキーヤーやスノーボーダーに親しまれたウィンタースポーツ施設でした。標高336メートルの山本山の北斜面を利用して開発されたこのスキー場は、他の多くのゲレンデとは異なるユニークな特徴を持っていました。

概要

当時の国土計画によって建設が進められ、1988年12月に華々しく開業しました。総面積は83ヘクタールに及び、最長滑走距離は1700メートルと、ファミリー層が気軽に楽しめる規模感でした。このスキー場が全国的に注目された最大の理由は、その画期的なアクセス方法にありました。一般的に、スキー場の山頂や中腹へはリフトやゴンドラを利用するのが普通ですが、小千谷山本山高原スキー場は、全国でも類を見ない自動車で山頂まで乗り入れ可能なゲレンデとして知られていました。これにより、スキー・スノーボード用具を車で運ぶ手間が省け、小さな子供連れの家族や初心者にとって非常に便利な構造となっていました。

施設

山頂への自動車乗り入れに対応するため、駐車場は麓に約1600台分、そして山頂にも約150台分が設けられていました（いずれも有料）。山頂駐車場に車を停めれば、すぐにゲレンデでの活動を開始できる利便性は大きな魅力でした。施設面では、ゲレンデにはクワッドリフトが1基、シングルリフトが1基設置されており、効率的にゲレンデを周回できるようになっていました。また、場内には休憩所や着替えができる更衣室が完備されていました。食事施設としては、山頂に美しい眺望を楽しめる展望台レストランがあり、麓には手軽に利用できるラーメンハウスが営業していました。さらに、子供連れの家族向けには「わくわくファミリーランド」というエリアが設けられており、子供用スノーモービルなど、雪遊びを楽しむための施設や遊具が充実していました。これらの施設は、家族全員が一日中飽きずに過ごせるような工夫が凝らされていました。

利用者数の推移と終焉

開業当初は順調に利用者を増やし、特に1994-95シーズンには年間約7万人もの人々が訪れる人気を博していました。しかし、レジャーの多様化や近隣スキー場との競争など、様々な要因により利用者数は徐々に減少傾向に転じ、2003-04シーズンには約3万人まで落ち込んでいました。そして、2004年10月に発生した新潟県中越地震は、このスキー場に壊滅的な被害をもたらしました。施設の損壊などにより、地震発生以降、スキー場は営業を休止せざるを得ない状況に追い込まれました。懸命な復旧努力や再開の模索が行われたかは定かではありませんが、結局、営業を再開することなく、2006年に正式に廃業することが決定されました。全国でも珍しい山頂アクセスという特徴を持ち、多くの家族の思い出の場所となった小千谷山本山高原スキー場は、約18年間の歴史に静かに幕を下ろしました。

アクセス

小千谷山本山高原スキー場へのアクセスは、自動車または鉄道が利用可能でした。

自動車
山麓駐車場へは、関越自動車道小千谷インターチェンジから国道291号線を経由し国道117号線を進むことで約5キロメートルでした。
山頂駐車場へ向かう場合は、関越自動車道越後川口インターチェンジを利用し、国道117号線を約6キロメートル走行する必要がありました。
鉄道
* 上越線小千谷駅からはタクシーで約15分程度の距離でした。

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