小口高 (地磁気学者)

小口 高（おぐち たかし）の業績と影響

小口高（おぐち たかし）は、1930年3月31日に長野県岡谷市で生まれ、2010年12月27日に他界した日本の著名な地球物理学者です。彼は東京大学の教授を務め、地磁気やオーロラの研究に携わりました。特に、南極観測における彼の業績は際立っており、第1次から第3次の南極観測隊に参加し、第12次隊では隊長及び越冬隊長を務めました。

経歴と教育

小口は、長野師範学校附属小学校、旧制諏訪中学、そして旧制第一高等学校を経て東京大学理学部に進学しました。1955年、大学院生の時に、教授である永田武から第1次南極観測隊の隊長の役割を打診され、即座に同行を志願しました。これにより、1956年の第1次南極観測隊に参加し、その後第2次、第3次隊にも貢献しました。

第3次南極観測隊では地球物理担当として越冬チームに参加し、この期間に得た経験が後の第12次隊でのリーダーシップに役立つこととなりました。1962年には、東京大学から理学博士の学位を取得し、その論文は「極光帯における磁気嵐電離層擾乱及び極光の相互作用」と題されました。

南極観測隊での貢献

第12次南極観測隊では、隊長を務めながら越冬隊長としての役割も果たしました。この隊では、観測用ロケットを7機打ち上げてオーロラの観測を行ったり、深さ75メートルのボーリング作業を実施しました。これらの活動は、後の科学観測において重要な基盤となりました。また、小口は南極におけるゴミ公害問題にも取り組み、その後のゴミの持ち帰り運動の促進に寄与しました。

北極域での活動

1970年代後半に入ると、彼はカナダなど北極域でのオーロラ観測にシフトしました。これは、彼が地球物理学の領域でさらなる探求を続けた結果でした。また、1993年まで名古屋大学太陽地球環境研究所の所長としての役割を担い、研究の発展に尽力しました。

著作

小口は、溢れる研究成果をいくつかの著作にまとめています。1974年には『宇宙空間の科学』を、日本放送出版協会から出版し、1987年には『解明_新物理(総合版)』を文英堂から発行しました。彼の著作物は、科学分野における理解を深める重要な資料として評価されています。

2008年には、若井登との共著で『14人と5匹の越冬隊 1年遅れの本観測 南極観測第3次越冬隊の記録』を自費出版し、自らの体験を記録しました。

小口高の研究と実践は、地球物理学の発展に大いに寄与し、次世代の研究者たちに影響を与え続けています。

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