小塔院

小塔院 (しょうとういん)

小塔院は、奈良県奈良市に位置する真言律宗の寺院です。本尊は虚空蔵菩薩で、元々は元興寺の伽藍の一部でした。

歴史

小塔院の歴史は、養老2年（718年）に飛鳥の法興寺が平城京に移され、元興寺となったことに始まります。現在奈良町と呼ばれている場所です。小塔院は、西小塔院または吉祥堂とも呼ばれ、金堂の南西に小塔堂が建立されていました。称徳天皇が百万塔を納めるために建立したという説や、元興寺極楽坊にある国宝・五重小塔が安置されていたという説があります。金堂の南東には、小塔院と向かい合うように大塔院（東大塔院）があり、五重塔が建立されていました。

当時の元興寺の伽藍跡として現存するのは、元興寺極楽坊、元興寺塔跡、そして小塔院跡の3箇所のみです。

法相宗の学僧として知られる護命は小塔院僧正と呼ばれ、承和元年（834年）に小塔院で没しました。現存する護命の供養塔（宝篋印塔）は、鎌倉時代後期のものとされています。

宝徳3年（1451年）10月、土一揆による放火で小塔院は全焼しました。火災は広がり続け、極楽坊と五重塔を残して元興寺の伽藍は全て焼失してしまいました。

宝永4年（1707年）には虚空蔵堂（本堂）が再建されました。

1965年（昭和40年）6月2日には、元興寺小塔院跡として国指定の史跡となっています。

境内

小塔院の境内には、以下の建造物があります。

虚空蔵堂（本堂） - 宝永4年（1707年）建立。
庫裏
護命の供養塔 - 鎌倉時代後期。
地蔵堂
山門

文化財

国指定史跡

元興寺小塔院跡

外部リンク

公式ウェブサイト
元興寺小塔院跡 - 国指定文化財等データベース（文化庁）
* 元興寺小塔院跡 - 2010年の奈良の実景 (奈良県立図書情報館)

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