小室町 (船橋市)

概要

小室町（こむろちょう）は、千葉県船橋市の北端に位置する町名です。地元では「小室」と呼ばれ、北総鉄道北総線の駅名や国土地理院の三角点にもその名が用いられています。この地域は、氷河期の終わり頃から現代に至るまで、様々な時代の歴史が刻まれており、特に「小室台遺跡」からは、船橋市域で初めて前方後円墳や大刀が出土しました。

現在では、千葉ニュータウンの先駆けとして発展し、住宅地としての人気も高く、多くの人々が都心方面へ通勤しています。

地理

位置と面積

小室町は、船橋市の北端、東京湾の奥部から16.5km内陸に位置し、総面積は1.961平方キロメートルです。これは東京ドーム約42個分に相当します。

地形

町内は、北総鉄道北総線が東西に横断し、その北側には新しい住宅街が広がっています。台地の東縁には、鎌倉時代から続く住宅地があり、台地下から神崎川堰堤までの平地は、江戸時代から農耕地として利用されてきました。

北総線の南側は、未開発の雑木林や果樹園、事業用地となっています。

市域と町域

船橋市は、東京湾の海岸線を底辺として、房総半島の付け根にくさび型に広がっており、小室町もその先端部に位置しています。白井市と接するこの地域は、くさび型をしています。

河川

白井市との境界には、一級河川の神崎川と支流の二重川が流れ、古代から農業用水として利用されてきました。また、小室公園の東側には日月川があり、神崎川に流入しています。

船橋市の北端

かつては、二重川と神崎川の合流点が船橋市の北端でしたが、河川改修により両市間で土地の等価交換が行われた結果、現在はやや内陸部が北端となっています。

三等三角点

八幡神社の境内には、国土地理院の三等三角点「小室」が設置されており、標高は20.4mです。この三角点は電子基準点としても機能し、1974年以降、正常に観測されています。

隣接する地域

船橋市：小野田町、大神保町

白井市：神々廻、清戸、復、白井

地価

国土交通省の地価公示地点は、小室町3237番地にあり、2023年1月1日現在、6万4600円/m2です。

将来の変動要因

北千葉道路の整備により、小室駅西側に船橋小室ランプが計画されており、今後の発展が期待されています。

歴史

旧石器時代

約3万4000年前には、旧石器時代の人々がこの地に住み、石器などを残しました。

縄文時代

小室台遺跡からは、縄文時代の竪穴建物跡が見つかり、少なくとも3つの時期に縄文人が生活していたことがわかっています。また、小室上台遺跡からは、縄文時代の貴重な「バイオリン型土偶」が出土しました。

古墳時代

小室台地には、前方後円墳を含む古墳群が築かれました。これは船橋市域では唯一の前方後円墳です。

鎌倉時代

鎌倉時代には、「下総国臼井庄古牟呂村」という地名が文献に登場し、この地域に集落が存在していたことがわかります。

室町時代

室町時代には、小室村を舞台にした民話「力持ち平右衛門」が語り継がれています。

江戸時代

江戸時代には、小室村は東西に分割され、それぞれ旗本の知行地となりました。

遺跡

小室町には、白井先遺跡、名木遺跡、小室台遺跡、小室上台遺跡、池谷津遺跡、向塚遺跡、請野遺跡など、多くの遺跡が点在しています。

世帯数と人口

2020年4月1日現在、小室町の世帯数と人口は、船橋市全体の約1%を占めています。近年、宅地開発が進み、世帯数、人口ともに増加傾向にあります。

小中学校の学区

小室町には、船橋市立の小学校と中学校が各1校あり、小室町全域が学区です。2014年には、船橋市内初の小中一貫教育実験校に指定されました。

施設

公共施設

船橋市小室センター、連絡所、公民館、児童ホーム、老人憩の家などがあります。

教育施設

船橋市立小室小学校、中学校、保育園があります。

警察・消防

千葉県警察船橋東警察署小室駅前交番、船橋市消防局北消防署小室出張所があります。

社会基盤

東京電力新京葉変電所、小室調節池があります。

公園・緑地

小室公園をはじめ、多くの公園や緑地が整備されています。

寺社

立法山本覚寺、八幡神社、駒形神社、萬徳院釈迦寺などがあります。

交通

鉄道

北総鉄道北総線小室駅があり、都心や空港へのアクセスが可能です。

バス

新京成バスが、船橋駅や北習志野駅への路線を運行しています。

道路

国道16号、464号、県道189号、193号が通っています。

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