小島武夫

小島武夫：麻雀界のレジェンド、ミスター麻雀の生涯

小島武夫（こじま たけお、1936年2月11日 - 2018年5月28日）は、日本のプロ雀士である。その卓越した麻雀技術と、数々のエピソードから「ミスター麻雀」の異名で親しまれ、麻雀界に大きな足跡を残した人物だ。日本プロ麻雀連盟の初代会長、最高顧問を務め、九段という高い段位を保持していた。

麻雀との出会いからプロ雀士へ

福岡県福岡市博多区で生まれた小島は、中学生時代に麻雀と出会い、すぐにその魅力に取りつかれた。若き日の彼は、金銭を賭けた麻雀にのめり込み、高い技術と大胆なプレイスタイルで頭角を現していく。雀ボーイとして活動した経験もあり、イカサマ麻雀にも精通していたという。特に「小手返し」というイカサマ技術は、誰にも見破られることなく、晩年まで使い続けたとされている。

「麻雀新撰組」とメディアへの出演

高い知名度を誇った小島は、阿佐田哲也や古川凱章らと共に「麻雀新撰組」を結成し、タレントとしても活動した。深夜番組『11PM』の麻雀コーナーへのレギュラー出演など、メディアにも積極的に登場し、麻雀の普及にも貢献している。著書『麻雀-君ならどう打つ』は、天野晴夫の著書で批判されるなど、話題を呼ぶこともあった。晩年には、CS放送の麻雀番組『麻雀格闘倶楽部シリーズ』や『ロン2』などに出演し、多くの視聴者を楽しませた。かわぐちかいじの漫画『はっぽうやぶれ』の主人公・花島タケオは小島武夫がモデルであるとされている。

麻雀プロとしての輝かしい功績

小島は、麻雀界で数々のタイトルを獲得した。最強位、最高位、モンド名人、麻雀グランプリMAXなどを制覇し、75歳でタイトル2冠を達成するなど、年齢を感じさせない活躍を見せた。特に、役満の中でも最も難しいとされる「九蓮宝燈」を公式戦で2回（玄人時代を含めると5回）、達成したことは有名で、そのうちモンド麻雀プロリーグ第3回名人戦での九蓮宝燈は公式動画だけで880万回以上の再生数を記録している。

波乱万丈の人生

麻雀プロとしての成功の裏側には、経営する雀荘の倒産を繰り返した借金王としての側面も存在する。また、酒好きとしても知られ、特にハイボールを好んで飲んでいたという。55歳から75歳まで糖尿病を患っていたことも明かしている。こうした経歴から、年金を受給していないと自著で語っている。2人の女性との間に3人の子供を儲け、孫は10人以上いた。孫の一人である小島優も、日本プロ麻雀連盟に所属するプロ雀士として活躍している。

俳優としての活動

麻雀プロとしての活動以外に、小島武夫は俳優としても活動しており、『凌辱＜こます＞』、『極道記者』、『雀鬼くずれ』などの映画に出演している。また、『雀狼伝 2 必殺!!亜空間殺法』、『雀士最強伝説 炎の大三元』、『麻雀飛龍伝説 天牌 2』などのオリジナルビデオ作品にも出演している。

多くの著書とメディア出演

小島武夫は、麻雀に関する多くの書籍を執筆し、麻雀技術の向上に貢献した。麻雀のルールや技術を解説した入門書から、高度な戦略を解説した上級者向けの書籍まで、幅広いジャンルの著書を出版している。また、テレビ番組への出演も多く、その独特のキャラクターと麻雀への造詣の深さで、多くの視聴者から支持を得た。

死去

2018年5月28日、心不全のため82歳で死去した。日本プロ麻雀連盟は5月31日に公式サイトで訃報を発表した。麻雀界のレジェンド、ミスター麻雀の死は、多くのファンに惜しまれた。その生き様と功績は、これからも麻雀界に語り継がれていくことだろう。

もう一度検索