小川記正

小川記正について

小川記正（おがわきせい、1906年 - 2000年）は、日本の映画界に多大な影響を与えた脚本家、小説家、映画プロデューサーとして名を馳せました。彼の作品は日本映画の発展に寄与し、多くの人々に愛されています。彼は1950年以降、映画の脚本を「小川正」の名義で執筆し、晩年には「小川記正」としてテレビ映画でも活動しました。

生い立ちと教育

北海道札幌市に生まれた小川は、代議士の長男として裕福に育ちました。しかし、彼の幼少期には厳しい試練が待ち受けていました。父は資産家でしたが、事件によって投獄され、悲劇的な死を迎えました。母も賭博に溺れ、家計は困窮に陥りました。それでも小川は慶應義塾大学政治経済学部で学業に励みました。

映画界への道

20代で映画界に足を踏み入れた小川は、松竹蒲田撮影所で助監督としてキャリアをスタートしました。1931年には短篇映画『真夜中商売』を監督するものの、公開には至りませんでしたが、その後、新興キネマに移籍し、多くのオリジナル脚本が評価されるようになりました。1938年には、東宝映画へ移り、渡辺邦男監督に複数の脚本を提供しました。

戦後の転身

第二次世界大戦後、小川は監督からプロデューサーへと転身し、松竹大船撮影所やCACで多くの作品をプロデュースしました。特に『与太者と天使』や『決闘の河』など、自らも制作に関与した映画は注目を浴びました。1952年からは「小川正」と名乗り、東映京都撮影所にて脚本に専念します。

テレビ映画の時代

1965年から1977年にかけて製作されたテレビドラマ『特別機動捜査隊』において、小川は脚本を手掛け、多数の話数を担当しました。これにより、彼の作品はテレビを通じて多くの視聴者に届くこととなりました。

晩年と影響

晩年の小川は癌を患い、杉並区の自宅で腎不全により生涯を閉じました。しかし、彼の影響は残し続け、多くの作品が現在でも親しまれています。また、娘にはダンサー・振付師として活躍する小川亜矢子がいます。

業績とフィルモグラフィ

小川記正は数多くの映画及びテレビ作品に関与しており、その幅広いフィルモグラフィは彼の才能を示すものです。彼が手掛けた作品には、特に娯楽性や人間ドラマが色濃く描かれており、視聴者に深い感動を与えました。

まとめ

小川記正の足跡は、日本映画とテレビドラマの発展に大きな影響を与えました。彼の作品は、今でも多くの人々に愛され続け、彼自身の名は日本の文化遺産として語り継がれています。

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