小平浪平

小平浪平 - 日本の技術者・実業家

小平浪平（おだいら なみへい）は、1874年1月15日に栃木県で生まれ、1951年10月5日に亡くなった日本の著名な技術者であり実業家です。日立製作所の創業者として知られ、電気工学の分野で多大なる貢献をしました。彼の学歴や初期の経歴、そして日立製作所の創立までの道のりを詳しく見ていきましょう。

学歴と早期の経歴

小平は、栃木県下都賀郡家中村合戦場（現在の栃木市都賀町）で生まれ育ちました。彼は地元の小学校から高等小学校へ進学し、後に上京して東京英語学校と第一高等中学校（後の第一高等学校）に通います。しかし、第一高等中学校の受験に失敗し、その間に父が死去し、家庭は経済的な苦境に立たされました。この時期、兄が地元の銀行に就職し、学費を捻出するために努力しました。

小平は意を決し、1年間の浪人生活を経て第一中学校に合格し、続いて東京帝国大学工科大学電気工学科を卒業しました。大学時代には、写真旅行に夢中で1年留年しましたが、この頃から国産技術の必要性を強く感じていました。

初期のキャリア

卒業後、小平は藤田組小坂鉱山に電気主任技術者として入社し、発電所の普及に貢献しました。その後、広島水力電気株式会社や東京電燈株式会社を経て、久原鉱業所日立鉱山に勤務します。彼はその職務において、土木建築工事や機械・電気設備の設計・設置を担当し、発電所の設立にも関与しました。

日立鉱山では、蒸気機関が主流であった時代に、電気の導入を進め、鉱山の近代化を実現しました。この成功により、後の製品群の基礎が築かれました。特に小平は、優れたエンジニアを探し入社させ、彼らが内製した設備は日立製作所の成長に寄与しました。

日立製作所の設立

小平は1910年、自ら設計した国産初の5馬力誘導電動機を製作し、その後も200馬力の電動機を手掛けたことで、電気機械製作事業に着手することを決意します。同年11月には、日立市白銀町に新工場を建設し、これをもって日立製作所の創業が始まりました。また、従業員教育のために徒弟養成所を設立しました。

1911年7月には日立製作所を正式に設立し、1920年には独立した株式会社となります。その際の資本金は1000万円、従業員数は2700人に達しました。1929年には初代取締役社長に就任し、企業の成長を牽引しました。

晩年と記念施設

1947年、小平は公職追放を受け、社長職を退任後、隠居生活を送りました。しかし、1951年には相談役として日立製作所に復帰するも、10月に病気で死亡しました。

彼の生家は栃木市に寄付され、顕彰イベントも開催されています。また、日立市に存在した旧小平記念館は2021年に閉館されたものの、新たに日立オリジンパークが開設され、小平の功績を次世代へと伝える役割を果たしています。

小平浪平の生涯は、日本の電気工学や産業界において、誇れる遺産を築いたと言えるでしょう。

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