小普請組支配

小普請組支配の概要

小普請組支配（こぶしんくみしはい）とは、江戸幕府において小普請を統括する役職のことを指します。小普請は、特定の役職に従事する者を組織化したものであり、それぞれの組には1名の支配者が置かれていました。この役職は老中支配の下に位置付けられ、役高は3000石で、布衣以上の特権を持っていました。小普請組支配には、その配下として、組頭、世話取扱、世話役、金集手伝などの役職者が存在しました。

沿革

小普請は当初、留守居支配の一部として位置付けられていましたが、享保4年（1719年）6月から、200石以上の者を小普請組支配として、200石未満の者は留守居に所属させる方針が取られました。この変更により、10の小普請組が設立され、それに伴って10名の小普請組支配が任命されました。また、この時点で役料は500俵と定められ、座席も新番頭の上に配置されることが決まりました。

その後、享保7年（1722年）には小普請組が9組に減少し、享保9年（1724年）にはさらに2名が甲府勤番支配に就任したことから、8組に戻りました。宝暦3年（1753年）6月からは200石未満の者も支配下に含めることが決定され、小普請組は12組に増加しました。この改編以降、御目見以上の者は「支配」と呼ばれるようになり、御目見以下の者は「組」として区分されました。

さらに、寛政元年（1789年）には11組、寛政3年（1791年）には10組、文化10年（1813年）には8組に減少し、文久2年（1862年）閏8月には6組、続いて文久3年（1863年）3月には5組にまで削減されました。最終的に慶応2年（1866年）8月には小普請自体が廃止され、それに伴い小普請組支配も勤仕並寄合に変更されました。

職務

小普請組支配の主な職務は、無役である小普請を幕府の役所へ適切に配属するため、配下から適任者を選出することです。支配者は「人を指揮する能力に優れた者」が求められており、配下の人物をしっかりと把握することが重要視されていました。具体的には、毎月通定の「逢対日」に配下の小普請と面談し、彼らの人物や家柄、特技を観察することが求められました。

毎月の面談の結果、支配者は適切だと思われる者の氏名を記録し、さらにはその家族の管理や家来の状況、能力、教育状況など、さまざまな要素を考慮して調査を行いました。これらの情報は「順覧帳」としてまとめられ、支配者たちはこの帳面をもとに、役職の欠員が生じた際に適任者を推挙する役割を果たしました。

また、小普請組支配は毎月10日と25日に寄合を設け、組内でのコミュニケーションを促進していました。このため、役職を持つ者同士の結束を強め、効率的な組織運営を図っていました。

小普請組支配は、江戸幕府の中で重要な役割を果たし、組織の安定性と人材育成に大いに寄与していたと言えるでしょう。

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