小木海岸

佐渡小木海岸

佐渡市の南西部に位置する小木海岸は、変化に富んだ景観が魅力の海岸景勝地です。約8キロメートルにわたる海岸線は、玄武岩や粗面岩からなる海蝕崖が連なり、多くの岩礁が点在しています。その景観は「佐渡小木海岸」として、国の天然記念物および名勝に指定されており、地質学的にも貴重な場所として、2007年には日本の地質百選にも選定されています。

見どころ

小木海岸の最大の見どころは、南仙峡の断崖絶壁と奇岩の織りなす絶景です。黒褐色の粗面岩が、周囲の緑や海の青とのコントラストを生み出し、訪れる人々を魅了します。与謝野鉄幹もこの景観を称える詩を残しており、古くから多くの文人に愛されてきました。

その他にも、老松が生い茂る岩礁に架かる深紅の太鼓橋が印象的な矢島経島、弘法大師（空海）が揮毫したとされる左八文字の奇岩、自然の洞門である琴浦洞窟、世界でも珍しい枕状溶岩台地の沢崎など、多様な見どころがあります。

竜王洞（琴浦洞窟）は、「青の洞窟」とも呼ばれ、その美しい景観は2020年のじゃらん「まるで海外絶景ランキング」で国内2位に選ばれました。

また、小木海岸には、かつて船大工たちの拠点であった宿根木の集落（重要伝統的建造物群保存地区）があり、歴史的な風情を感じることができます。

小木海岸とたらい舟

小木海岸は、たらい舟の発祥地としても知られています。明治初期に味噌樽を半分に切って改造したのが始まりとされ、岩礁や浅瀬が多い地形に適した漁法として発展しました。小回りが利き、船底が浅いたらい舟は、近海での漁に最適であり、現在でもワカメやサザエ、アワビなどを採取する磯ねぎ漁に用いられています。その技術は、今日まで脈々と受け継がれています。

近年では、たらい舟は観光資源としても活用されており、観光客向けのたらい舟体験が人気を集めています。実際に乗って海を巡ることで、小木海岸の独特な景観をより身近に感じることができます。

小木海岸は、自然の美しさと歴史、文化が融合した魅力的な場所です。佐渡を訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

関連項目

佐渡ジオパーク
たらい舟
小木港
地質・鉱物天然記念物一覧
新潟県の観光地
外海府海岸
七浦海岸

外部リンク

モデルコース紹介：小木半島 元小木コース 佐渡ジオパーク
みな佐渡 南佐渡地区商工会
さど観光ナビ：小木海岸 佐渡市公式観光情報サイト
さど観光ナビ：矢島・経島
国指定文化財データベース：佐渡小木海岸（文化庁）

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