小松伸六

小松 伸六について

小松伸六（こまつ しんろく）、1914年9月28日生まれ、2006年4月20日逝去は、日本のドイツ文学者であり、文芸評論家として多大な貢献を果たしました。彼の筆名である内海伸平でも知られています。小松は北海道釧路に生まれ、後に東京帝国大学を卒業しました。

教育とキャリアの始まり

小松は教育界でも活躍し、金沢の第四高等学校で教授職に就き、文学教育に尽力しました。その後、彼はドイツ文学を専門にし、特にゲーテやトーマス・マンの研究に情熱を注ぎました。彼の文学的足跡はそれにとどまらず、1941年には自ら第五次『赤門文学』を主宰し、多くの文学者を育成する役割も果たしました。

戦後の文壇での活動

戦後、小松は立教大学の教授として再び舞台に立ち、久保田正文や林富士馬、駒田信二といった文学者と共に『文學界』の同人誌評を担当しました。彼の口コミは多くの新しい才能の発掘に繋がり、特に原田康子を見出したことは、その後の日本文学における重要な出来事として語られています。また、彼は1979年に菊池寛賞を受賞し、1981年には著書『美を見し人は』により、芸術選奨文部大臣賞も受賞しました。

日本現代紙碑文学館の設立

小松の業績は、文学の普及だけでなく、資料収集にも寄与しました。岐阜県海津市に所在する海津市海津図書館内の「日本現代紙碑文学館」は、小松が1万5千冊の文学同人誌を寄贈したことを基礎に1976年に設立されています。この施設は、日本の現代文学に関する貴重な資料を保存し、展示する重要な役割を果たしています。

主な著書

小松の著作も多岐にわたります。1981年には『美を見し人は 自殺作家の系譜』を講談社から出版し、1984年には『ミュンヘン物語』を文藝春秋から、1988年には『愛と美の墓標』を再び講談社から発表しました。これらの作品はいずれも、彼の文学に対する深い考察と、独自の視点が反映されています。

小松伸六の業績は、文学界において非常に重要な位置を占めており、彼の研究、批評、著作活動は今日の文学においてもその影響を見て取ることができます。

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